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一話 総力戦前夜

新章開幕です!

 日付の変わる四時間前、葛葉達冒険者や、国から邪竜討伐の命を受けた東帝国兵たちが、ギルドのだだっ広い部屋に集められていた。


「……集まったか」


 明日の戦いに向け殺気立つ(つわもの)達の鋭い目に見つめられても、臆することなく仁王立ちするミハヤ。皆の視線がミハヤへと向けられた。


「皆、覚悟は出来ているか。……明日は諸君らが生きてきた人生の中で最も熾烈で、苛烈な戦いとなるだろう」


 そのミハヤの言葉を聞き臆するものは誰一人居なかった。逆に戦意が膨れ上がった。


「そうだ。我々は臆すことを許されない! 人々は我々に勝利を求める! 故に我々は負けもせず、四肢が千切れようともッ! 死ぬ気で勝利せねばならないのだ! 必ずやかの厄災『八岐大蛇』を討つ!」

 さらに投下されるミハヤの言葉に、冒険者が東帝国兵達が雄叫びを上げる。


「奴はッ! 何千年もの間、我々を苦しめ続けた。それを許せるか?」


 ミハヤのその言葉が雄叫びで否定された。


「そうだ! 許せん! 許されるわけがないのだ‼︎ 何千年も続くこの悲しみを断ち切るぞ! 奴に、人という生き物の力を見せる時だッ!」


 ミハヤの言葉が、冒険者達、兵士達の雄叫びが更にヒートアップしていった。

 ミハヤが刀の柄を握り締め鞘から引き抜き、抜き身の刃を高く掲げた。


「我々はこれより……」

「―――お待ち下さい!」


 ミハヤが戦いの地を言おうとした時だった、ミハヤの言葉を遮って一人の少女が前に出てきたのだ。

 ミハヤが目を見開き、冒険者達と兵士達がざわついた。

 五十鈴も少しばかり驚いており、律は何が起こったのか分からないという表情。そして鬼丸は、ほほうとしたり顔で少女を見つめていた。


「はぁ……はぁ……、すみません。この様な大事な場にお邪魔してしまい……」

「い、いえ。邪魔などと思う者は居りません、逆に士気が高まりましょう!」


 走って割って入って来たからなのか、少女は息切れをしており肩で荒く呼吸をしていた。

 呼吸を落ち着かせるとすぐ近くにいたミハヤに、一言謝ってから膝から手を離した。


「ね、鬼丸」

「ん? なんじゃ?」

「あの人って、誰なの?」


 そんな葛葉の疑問を聞き届けた鬼丸が「えっ……」と、今までで見たことない顔を浮かべて葛葉を見てきたのだ。その顔に葛葉は咄嗟に口を噤んだ。

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