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三十七話 準備は万端に

これにて第五部第三章は終わりになります!

いよいよ邪竜戦になります!

ド派手な総力戦になると思いますので、是非是非、楽しみにして頂けると幸いです!

それと、遅れてすみません!

 ―――後退させたコッキングレバーを戻し、ストックを肩に当て右半身に全身の力を込めて、誰もいない所へ向けて引き金を引いた。

 すると中々の衝撃が伝わってきた。が、銃が手から吹っ飛ぶことなく手元にあり、歩兵銃としての運用も出来ることが証明された。

 葛葉によって作られたモシン・ナガン、338ラプアマグナム弾を撃てるイかれた変態銃が完成してしまったのだ。


「……ふぅ。アーシャ、出来たよ」

「本当ですか⁉︎」


 マカロフを満足いくまで撃ちまくって休憩していたアーシャが、葛葉の放ったたった一言の言葉にバッと動いて、歩み寄ってきたのだ。


「はい。私作の魔改造モシン様、銃身を少しばかり長くしたよ。まぁちょびっとだから見分け付かないくらい。使う弾薬も7.62mmx54Rから338ラプアに変えた。反動は『衝撃吸収』の魔法石が抑えてくれる。……ちなみにアーシャのレベルは?」


 早口で出来上がったモシン・ナガンの説明をする葛葉の言葉を聞いていたアーシャが、レベルを問われると、迷いもせずに即答した。


「6だ」

「じゃあ、無敵の銃の完成だよ」


 Lv.3の葛葉でも楽々撃てたので、6のアーシャなら余裕で撃てる。そう安心した葛葉は、モシン・ナガンをアーシャへと手渡した。

 アーシャがモシン・ナガンを両手で受け取ると、感極まった顔で涙を溢した。

 葛葉が少し驚くと、アーシャが涙に気付き服の袖で目元を拭った。


「……モシン様が居れば、私は」

「……んー、愛国心がな〜」


 アーシャの愛国心は大変素晴らしいが、国が国だ。素直に褒めていいのか、葛葉は頰を掻きながら笑みを浮かべるのだった。


「あ、はいこれ。ラプアマグナムの弾ね。一つ30発入りの紙箱30個と、あとはクリップ。五十本居ればいいかな」


 と次々と色々な物を『創造』する葛葉に、アーシャの開いた口が塞がらなかった。

 大量の弾薬と大量のクリップ。普通なら持ち運べる量ではない。だがこの世界きはあれがあるのだ。


「虚空庫で保管すれば1500発も持ち運べるでしょ?」


 こんなにと顔に出ていたアーシャに、葛葉は虚空庫を出現させアーシャへそう言った。

 アーシャがすっかり忘れていたのか、掌を拳で叩きハッと自信も虚空庫を出現させた。


「クリップの使い方はわかるでしょ?」

「もちろん、私はいつかモシン様を使える日が来る時のために、何回も練習してた……!」

「そ、そうなんだ」


 ここまでの愛ならカルト教団にも勝っていそうと、葛葉はアーシャから半歩後ろへと下がるのだった。


「……明日」

「私はこれを使って生き残る、同志。同志も生き残って」

「うん、誰も死にたくないもんね」


 葛葉の心情を察したのか、アーシャはモシン・ナガンを構えて、葛葉へ声を掛けた。

 そしてすぐに受け取ったモシン・ナガンをキラキラと眩く光る目で、隅々まで観察しコッキングレバーの動作、引き金の引き心地等々をじっくりと味わい始めた。

 葛葉も魔改造M4を取り出して最後の調整を行う。万全の状態で、明日の戦いに臨まなければならないのだ。

 未熟な【英雄】はまだまだ万人を救うことが出来ない、ましてや目の前で溢れゆく命すらも。

 故に葛葉がするべきこととは、覚悟を決め、目の前の死に立ち止まらず、犠牲を払いながら巨悪を討つことのみなのだ。


「……」


 ゆっくりと、葛葉は息を吐くのだった―――。

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