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三十三話 甘えさせよう!

遅れてすみません!

 ―――適当に、朝に日光が当たる場所に置いて来た葛葉は、血を掃除している五十鈴へ声を掛けた。


「五十鈴〜ごめんね、迷惑かけちゃって」

「構いません、私は葛葉様の役に立つだけです。……ただ」

「ただ?」


 ロボットみたいなことを言うなぁ、と思っていた葛葉へ、少しの間を開けてから五十鈴は言葉を続けた。


「あまり、律様や鬼丸様とイチャイチャなされるのは……その、モヤモヤします……。で、ですから、あまり、イチャイチャ……はしないで下さい……」


 いつも通り感情等の起伏のない声で言おうとしていた五十鈴の言葉が、次第に少なくなっていき、詰まったりとハキハキ答えなくなっていった。するとプイッと顔を背けてしまった。

 そんな五十鈴に葛葉は少し驚いたが、すぐに笑いが込み上げ、思わず吹き出してしまった。


「そっかそっか、でもそうだよねー。五十鈴とはあんまりイチャイチャ出来てないもんね」

「ズルイです、律様も鬼丸様も……」


 普段家事を行っている五十鈴とはイチャイチャなど出来るわけがなく、葛葉はよく律と鬼丸と一緒に話していたり、ボードゲームをしていたりと、遊んでいたのだ。

 それを見ていて五十鈴が何にも思わない訳がなかったのだ。


「五十鈴は五十鈴が甘えたい時に甘えていいんだよ〜」

「あ、いえ、私は」 


 葛葉が微笑みながら五十鈴の頭をゆっくり優しく撫でると、ボッと赤面した五十鈴はまたまた顔を背けた。

 五十鈴の思っていることがなんとなくわかる葛葉は、五十鈴の頭に手を置いて優しく撫で始めた。急なその行為に五十鈴が驚くと、葛葉は微笑みながら声を掛けた。


「年上年下関係ないよ。恩人かどうかも一緒。甘えたい時に甘えていいの、そうしないと壊れちゃうよ」


 いつも家事を頑張っている五十鈴を葛葉は知っている。ずっと見て来た、手伝いをして大変さを理解している。だから声を掛けるのだ。


「少しでもいいから甘えよ?」

「……ど、どうしてそんなに甘えさせようとするんですか」


 葛葉のあまりの押しに、五十鈴は疑問符を浮かべながら思ったことを口にした。


「うーん、なんとなく。……ただ、今は本当に五十鈴のためを思ってだよ」


 五十鈴の言葉を聞いた葛葉は曖昧に答えるのだった。

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