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三十一話 変態のじゃロリには制裁を

遅れてすみません!

 襖の向こうから扉の閉まる音がして葛葉は顔を上げた。するとすぐに襖が開けられた。


「早く寝るのじゃー……あ?」


 襖を勢いよく開けた鬼丸が葛葉を見やると同時に顔を顰めた。葛葉は小声で「めんど」と呟きため息を吐いた。

 葛葉の姿を見て、鬼丸がユラユラと幽鬼のように歩き近付いてきて、バッと葛葉の肩を掴み、鼻と鼻がくっつきそうな距離まで顔を近づけて来た。


「何事じゃこれ」

「……近い近い」


 ガンギまった目で見つめてくる鬼丸に少しばかりか恐怖を感じつつも、葛葉は取り敢えず距離を取らせようとした。


「何事じゃって、何もないよ?」

「……ほぉう? じゃあなんなのじゃこの布団のシミは!」

「あ」


 鬼丸が敷布団にあるシミを指差し葛葉へ詰め寄った。葛葉はそのシミを見て、ややこしくなるなぁこれと、他人事のように思うのだった。

 葛葉は、葛葉と律がいやらしいことをしたのだと鬼丸は勘違いしている、と予想した。実際、辛いことを思い出して号泣した律を慰めてただけなのだから、全く違う勘違いだ。


「それに! うぬの胸元がビショビショではないか!」

「ん? あー」


 葛葉の胸元は、律の涙によってビショビショになったのだ。着替えようとしたが、この場から動けなくなった葛葉はそのまま放置していたのだ。

 だがこれをいやらしい物と勘違いするのはかなり難しいのでは? と葛葉が思っていると、鬼丸が何かに気が付いたのか、ハッと頭の上に豆電球を浮かばせて光らせた。


「まさか……葛葉よ……」

「ん?」


 雲行きが怪しくなって来た鬼丸に、疑問符を葛葉は浮かべるが、鬼丸は気にせずに続けた。


「出るようになったのじゃな!」

「ん?」

「なら早う言わんか! 一番最初はわしじゃ! いっぱい飲んでやるのじゃ!」

「は? ちょっと待って」


 鬼丸の意味深な発言に、葛葉は思わず鬼丸の口を押さえて止めるのだった。

 そしてまさかと鬼丸の言わんとした言葉を確認しようと、鬼丸の口から手をゆっくりと離すと。


「何をするのじゃ? わしは早くうぬの母乳が飲m―――っ⁉︎」


 鬼丸が最後まで言う前に、頭の上に創造された鉄塊が頭に落ちて、防がれてしまった。

 ガンと鈍い音が鳴り鬼丸の頭から血が吹き出し、後頭部から後ろへと倒れていった。

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