二十七話 おむかえ
すー、あの、投稿した気になってました。
誤字脱字がないか確認して、そのまま……。
すみませんでした!!
―――日が暮れ始め、人々が多くなって来た大通り。
葛葉は申し訳なさそうに人混みを掻き分け歩いていた。葛葉の背中には、ムスッと膨れっ面の鬼丸が背負われていた。
「最近のうぬら、わしに対する態度が酷くなっておらんか?」
「……んー」
寝ている間に置いて行かれたことが、とてもえらくご立腹のようで、先ほどからずっと葛葉の肩に顔を埋めたり、抱く力を強めたりしていた。
「やっぱり日頃の行いだと思うけど」
「なんでじゃ! わしは頼りになるじゃろう⁉︎」
バダバタと背中で暴れ出す鬼丸に葛葉は顔を顰めるのだった。実際頼りなることも多々……少々あるが、それは微々たるものに過ぎない。
戦闘中以外はほとんど、食う寝るちょっかいの三コンボなのだから。
「……大体起きたら私たちが居なくて、それで癇癪を起こして、餌付けされて……って、どこに頼れる要素があるの?」
そう、葛葉が凛楓達の居るあの避難所の部屋に着いて、いの一番に目に入ってきたのがその光景だった。
咄嗟に拳骨が飛んでしまい、鬼丸の頭には先ほどまでたんこぶがあったのだ。
「うぬらが居なくなるからじゃ!」
そう言われてしまうと反論出来ないが、葛葉はため息を吐いて、
「それは、ごめんだけど。だからって癇癪起こすのもどうかと思うんだけど……」
と鬼丸が反論出来なさそうなことを言い返した。
ずっと葛葉は疑問に思っていたのだ、なぜ癇癪? と。
「仮にも五百年は生きてるんだからさぁ……」
「違うのじゃ! 百年は寝ておったのじゃ!」
「変わらないよ! 寝てても年数は加算されるの!」
苦し紛れすら苦し過ぎて呼吸困難レベルに追い詰められた鬼丸は、葛葉の胸を掴んでは揉み始めるのだった。
鬼丸に揉まれるのは既に慣れてしまった葛葉は、無反応でギルドへと向かう足を進めた。周りからの視線が少し痛いが、それはオリアの街で通った道であり、痛くも痒くもなかった。
少しは大人になってもらいたいと、葛葉はまたもや深い溜息を吐いて、鬼丸を背負い直した。
「夜はギルドで済ますつもりだけど、鬼丸は何か食べるの?」
「にゅ〜、わしはいいのじゃ」
「食べてるもんね……本当にいいの?」
「……多分大丈夫じゃよ」
自分のお腹を見てから、かなりの間を開けて、信用できないような声でそういうのだった。
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