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二十話 帝国軍

「……さて、それでは作戦会議を始めんしょうかね。の前に、でありんすね」


 大きな丸テーブルに広がれている地図。それを見ていたサワは、その前に言葉を区切り、綺麗に整列している鎧を着た集団を扇子で指した。

 一番先頭にいる女性が、顔を引き締め姿勢を正し一歩足を前に出した。


「我々は邪竜駆除のために派遣された、東帝国軍帝都近衛兵隊です。その中で邪竜駆除に指名された部隊です。駆除大隊……とでも言いましょうか。指揮官と、大隊長を務めるミハヤと申します」


 そうして紹介を終わらせ、ミハヤは一礼してから下がっていった。

 扇子からキセルへと持っていた物を変えたサワが、咳払いをしてからこの場の全員の顔を見て、話す姿勢を作った。


「ありがとうござりんす。今お聞きした通り、国のお偉いさん方がお話をしんして、やっと重い腰を上げて、軍を派遣して貰えることになりんした。数はざっと、五千人でありんすね?」

「はい、その通りです。必要とあらば、更に戦力を投入する準備が出来ております」


 サワの言葉をミハヤは肯定し、更に嬉しい追加の情報を伝えてくれた。

 この国の冒険者やこのギルドの職員達が、飛び跳ねるほどに皆喜んでいた。そんな光景を目の当たりにして、葛葉は一に耳打ちした。


「この国の軍って強いんですか?」

「へ? んあぁ、そうやで。この国の軍は強いんよ〜」


 葛葉の唐突な耳打ちに、不意を突かれた一だったが、すぐに葛葉の質問に答えた。


「なんでも、他国らの支援を受けんで何百年も魔族と戦ってたんやから。兵士一人一人のレベルは……確か5以上やったっけ? んまぁやから、こんな喜んどるってことやね」


 追加の説明も聞いて葛葉は、ほぇ〜っと聞いていた。

 前に緋月にも聞いたことがあったのだが、どうやらこの世界の兵士、騎士等はかなり強いらしいのだ。

 あまり活躍を見ていないのでなんとも言えないが。


「でも異世界の軍隊ってかなり……」

「雑魚されとるなぁ、んでも、この世界はちゃうで〜」


 大抵の異世界の軍隊は主人公の引き立て役にしかならないという偏見があるのだが、一の確固たる自信に葛葉はこれ以上言うのは無粋かと思い、口を噤んだ。その直後だった。


「―――遅れてすんまへん、ちょっとしたトラブルで足止め喰らうたさかい、ほんまにすんまへん」

「げッ‼︎」


 ギルドの扉を開け、ズラズラと後ろに人を引き連れ中に入ってくる、ミハヤと同じような鎧を身に着けた青年。

 キツネのような糸目が特徴的で、無造作な髪を掻きながら薄っぺらい笑みを浮かべていた。


「構わない……サワ殿、これが先ほど職員に伝えていた……」

「ええ、聞いておりんす。ギルドの奥で、休憩を取って来て下さい、」

「かたじけない。―――聞いての通りだ、各自休息を取れ」


 話は通してあったのかミハヤが、大人数の兵士たちが休まさせるように指示を出した。

 指示を受けた兵士達はギルド職員の案内に従って、ギルドの奥に通されて行くのだった。

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