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TS化転生っ娘は、ちょっとHな日常と共に英雄になるため、世知辛い異世界で成り上がりたいと思います!  作者: んぷぁ
第五部 二章——いつだって気を抜いてはいけないんだ——
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二十一話 ぱぱっと英雄に

 ―――大きな魔法陣が床に刻まれている大きな一室。

 その傍では魔法の準備をするギルド職員達が居た。


「これから君たちを極東連合国、総合統括国家東大帝国。その本州西部にある出雲国(いずものくに)に転移魔法を使って送る」

「……地名が物凄いそのまんま」


 葉加瀬の大切な説明を、静かに聞いていた葛葉だったが、あまりにも地名がそのまま過ぎることに、流石にツッコんでしまった。


「まぁ、それは極東を統一して統治した人が、私達と同じだからね。……こほん。送ると言っても、現在あちら側の転移魔法陣は魔獣に制圧されたらしく、君達には石見国(いわみのくに)の魔法陣に送るよ。出雲からは近いから、直ぐに出雲に着くとは思う」


 目を泳がせながら言う葉加瀬に鬼丸が疑いの目を向けた。


「副長、終わりました」

「……どうやら、もう出発みたいだね」


 後ろに振り返ってみるとそこには、魔法陣の準備が整い後は起動させるだけで、やることのなくなった職員達が、葛葉達のクエストへの出発を見送れるように一列に並んでいた。


「……最後に一つだけ」


 歩き出そうとした葛葉達の背中に、葉加瀬が凛とした声で掛けてきた。


「無事に帰ってきてね」


 いつもの凛とした表情を崩し、葉加瀬は微笑みながら葛葉達の背中を見守るのだった。

 ―――魔法陣の上に立ち、三人は見送ってくれる葉加瀬達を見やった。その目は、世界を救ってくれと、そう言ったような目だった。

 その光景に葛葉は内心、アルマゲドンの主人公ってこんな感じだったのかな、と思ってしまった。

 そうしないとこの重荷に押しつぶされてしまいそうだから。


『あ、あー!』


 そんな時だった、葛葉達の目の前に映像投影魔法のホログラムが現れたのだ。

 そして画面中央の緋月が「映ってるかな」と独り言を呟いていた。


『あ、こほん。……葛っちゃん、頑張ってきてね!』


 飾りっ気もなくシンプルに、グッと親指を立てニカっと笑いウィンクする緋月が、画面から離れると、緋月の後ろはギルドの受付所や食事する所が映っていた。

 そしてそこはびっしりと人で埋め尽くされていた。


『嬢ちゃん! 邪竜なんか、ぱぱっと倒してきな! そしたら俺らとまた飲み交わそうぜ!』


 とあの男性冒険者を起点として、次々に冒険者達が葛葉に、葛葉達に激励の言葉を投げかけて来る。


『頑張れよ! 俺らの、この街の【英雄】‼︎』


 最後にその言葉が聞こえたと同時に、葛葉の目の前が真っ白になった―――。

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