九話 遠くに
すみません、遅れてしまいました。
諸事情により報告も出来ずにすみません!!
「どうかしたの?」
「……何がじゃ?」
鬼丸の一連の行動に葛葉はふと尋ねてみた。
今の状況と、先ほどの抱擁、駄目と言われている事をわざと行う。まるで構って欲しい子供のようだったからだ。
「話して。気になるから」
「……そうじゃな、ふむ。うぬはワシのことをどう思っておる?」
「……」
鬼丸が葛葉へ向き直りいつものような、おちゃらけた顔ではなく、真面目な顔で。いや、ほんの少し不安で泣きそうな顔だった。
鬼丸のその言葉に葛葉は考えを巡らせた。そして、
「正直に言うと……よく分からない」
そんな答えを出した。
「鬼丸がなんで私に執着するのか、分からない。無理矢理に伴侶にされたし」
「うむ、そうじゃなぁ。話せるのなら、話したのじゃが」
鬼丸がほんの少し俯き、か細い声で呟く。
話せない事情があるのか、鬼丸の謎はまだまだ解けなさそうだった。
「でも、でもね。今は大切なー・・・仲間? 伴侶? 妹?」
「構わんのじゃ、ワシはうぬの特別になれれば、それでよいのじゃ」
葛葉が俯き不安そうだった鬼丸を励まそうとして、励ませなかったことに、鬼丸はクスクスと笑みを漏らした。
「じゃあ鬼丸は、私が鬼丸のこと特別だって思えるように頑張って?」
「頑張る必要があるのじゃ? 今のままで十分じゃろ〜」
「……駄目だこりゃ」
全く自覚のない鬼丸に、ヤレヤレと葛葉はため息を溢すのだった―――。
――数十時間後――
昨日の疲れがあまり取れていなかったのか、鬼丸と共に昼寝をしていた葛葉が次に目を覚ますと、外はもう既に真っ暗だった。
目をゴシゴシと擦ってベッドから、鬼丸が起きないように降りた。
ふぁ〜っと欠伸をしながら部屋の扉に向かおうとして、月明かりに照らされる机の上、そこに置かれた折り畳まれた一枚の紙に気がついた。
疑問に思いつつ手に取り、綺麗に折り畳まれた紙を開いた。どうやらこの紙は元々メモ用紙のようだった。
が葛葉にはそんなことはどうでも良かった。
綺麗な文字で、丁寧に書かれている文面を読んでしまったから。
読んで頂きありがとうございます!!
明日明後日も遅れると思うのでここで言っちゃいます!!
決して、忘れそうとかじゃないですからね! 勘違いしないでよね!
はい。
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