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TS化転生っ娘は、ちょっとHな日常と共に英雄になるため、世知辛い異世界で成り上がりたいと思います!  作者: んぷぁ
第五部 二章——いつだって気を抜いてはいけないんだ——
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八話 久しぶり!

覚えてないだけでお風呂シーンは書いてますかね。

自分的にはとても久しぶりで、とても書きたかった場面です!

「ん〜にゃむにゃむ、くひひ……葛葉よ、可愛い喘ぎッ―――」


 寝言を最後まで言わせずに、葛葉は鬼丸にエルボードロップをお見舞いした。

 寝ていて無防備だった鬼丸は避けることすら出来ず、葛葉のエルボードロップは綺麗に胸へと入ったのだった。


「鬼丸、起きた?」

「……え、永眠してまうのじゃ、大バカ者」


 咳き込み終わった鬼丸へ、葛葉は微笑みを浮かべながら声を掛けると、鬼丸は珍しく真面目な顔で至極真っ当なことを口にした。


「鬼丸の見てた夢が悪い」

「夢くらい見させてくれなのじゃ!」


 二人は起き上がりいつも通りのやり取りをする。が、鬼丸は少し眉間に皺を寄せた。葛葉のとって付けたような笑みを見て。

 鬼丸は足を止めて葛葉の手を取った。葛葉が疑問符を浮かべながら鬼丸へ振り返る。


「心配かの?」

「……うん。律は大切だから」


 そう尋ねてくる鬼丸に、葛葉はそう返した。


「安心せい、彼奴も子供ではないじゃろ?」

「そうだね、でも心配なものは心配」


 子供じゃないにしても、朝見たあの顔のせいで心配を拭うことが出来ないのだ。


「……早く行こ」

「うむ、そうじゃな」


 葛葉は鬼丸の手を引いて扉へ向かった。

 葛葉の思っていることを察して、鬼丸はそれ以上は言わなかった。葛葉は心の奥底から律が心配なのだ。

 鬼丸は葛葉に手を引かれながら、鬼丸も律の身を案じるのだった―――。

 ―――湯気が立ち込め水が滴り落ちる。ピチャピチャと濡れた床を歩いて、湯船の中に足からいれていく。

 ゆっくりと肩まで浸かり、昨日の疲れを吐き出すように深いため息を吐いた。熱々の湯に浸かり、頬を赤らめ天井を見上げた。

 疲れが嘘だったかのように消えていく。

 気持ちのいい湯に全身の力を抜き、目を瞑っていると、ピチャピチャピチャと水を慌ただしく踏む音を立てながら、近寄ってくる者の方に目を向けた。

 目を向けると同時、バッとジャンプしバッシャン! と水に飛び込み、水飛沫が大きく上がった。

 ザパァと波になった湯が葛葉の顔に掛かり、頭の上からも水飛沫が掛かってきた。


「ぱふぁー! 気持ちーのう‼︎」


 風呂場を走り湯へと飛び込んだのは、水面を突き破りバシャバシャと髪を振り回しながら顔を出す鬼丸だった。

 葛葉が顔に掛かった水を手で拭い、先程とは違うため息を吐いた。


「ねぇねぇ、毎回言ってるんだけど。飛び込まないで?」

「なんでじゃー?」

「なんでじゃないの。人が居ないならいいけど、人が居る時はやめよう?」

「やぁ〜じゃ〜」


 葛葉のn回目の忠告も無視して、湯の中に潜ってしまう鬼丸。

 はぁっと葛葉がため息を吐いていると、ザパァっと葛葉のすぐ目の前から鬼丸が飛び出て来た。そして葛葉に抱き着き、ギュッと力を込めて、鬼丸が満足いくまでそのままだった。


「……鬼丸ぅ、もうそろそろ離して〜」

「む〜やじゃ〜。……離して欲しいのなら、ワシをここに居させるのじゃ!」


 と抱き着いていた手をほどき、鬼丸が葛葉の膝の上に座るのだった。身体をグイグイと押し付けて。

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