二十五話 慢心ダメ絶対
諸事情により昨日は投稿出来ませんでしたが、今日からはちゃんと投稿していこうと思います。……多分?
「……うっ」
引き金を引いていた葛葉が、空撃ちをし始めたライフルを見て焦ってしまった。
弾幕を張らなければ、今の緋月なら一瞬で距離を"殺してくる"。
先ほどまで20メートル先にいたはずの緋月が気が付けば目の前に居た。
「―――っ⁉︎」
剣の腹で、目の前で驚いている葛葉のことを殴ろうと、大剣を振りかぶって居た緋月の腹部に、何度もかなりの強い衝撃がやってきたのだ。
緋月が自分の腹部に目を向けてみると、そこには有名で古臭いサブマシンガンがあり、その銃口からは何発も弾丸が射出されて居た。
バッとサブマシンガンの銃身をを手で掴み、グググと銃身を曲げていく。
そして直角まで曲がった時だった、またまたグレネードが目の前に投げられた。
だが次のグレネードは少し違った。
一瞬にして目の前が真っ白になり、鼓膜が破れたかのような錯覚を覚える音が緋月を襲った。
「―――」
酷過ぎる耳鳴りに平衡感覚を失い、ぼやける目の前の景色に困惑する。早く、せめて視界だけでも治らなければ、やられてしまう。
半ば感覚のみで周囲の状況を把握する。どうやら、葛葉は先ほどまでの密着するほどの距離には居らず、少し離れた所で息を整えて居た。
緋月が今のスタン状態から復活するのに、後7秒ほど。それまでに葛葉は必ず仕掛けてくるはずだ。
緋月はそう結論付け、大剣を構えた、葛葉の攻撃にすぐに反応できるように。だが葛葉は仕掛けてこなかった。
「……?」
治った視界で葛葉の居た方向に目を向けると同時、火花が散ったのだ。
火花が散ったのは緋月の懐近く。目線を下げればそこには葛葉が居た。
どうやら緋月が仕掛けて来なかった葛葉に疑問を感じ振り向くのと、葛葉の攻撃のタイミングが被ってしまっただけだった。
葛葉の攻撃は緋月の持っていた大剣によって弾かれたのだ。
攻撃を弾かれても、葛葉は直ぐに次の攻撃を繰り出す。緋月に休む暇を与えずに、攻撃を早くさらに早く繰り出していく。
「くっ」
そんな猛攻に防戦一方となる緋月。
今までの戦いの疲労が今になってどっとやってきたのだ。そのため、緋月の動きにはキレがなかった。
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