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二十九話 近付く二人

葛葉と同じですね!

「ルフ、行くぞ―――っ」


 ダルフがルフの後ろへ、カナデとルフを守るように立った。ルフが立ち上がり、ダルフが後を続いていた時だった。

 ムクリと五十鈴と律が起き上がり、武器を構えたのだ。


「めんどくせぇなぁ。俺はあんまり女とは戦いたくねぇんだ、退がれ」


 その最後の言葉に込められた圧は、五十鈴と律の動きを止めるのには十分だった。

 だがそれでも二人は燃え盛る闘志を露わにした。


「仕方ねぇ、()ってやるよ」


 嘆息し頭を掻きむしってダルフは二人に剣を向けた。

 二人の戦おうとしている背中を見つつ、葛葉は敵を殺して続けいた。


「……二人じゃ無理な相手」


 ダルフと呼ばれた青年は見るに潜在能力(ポテンシャル)はLv.5。そして獣人の武士、ルフもおそらくLv.5だ。Lv.1の二人では勝ち目がない。例え二人掛かりであっても。

 だが葛葉の予想は大きく的を外していた。


「五十鈴さん、行きます!」


 刀を構えた律がそう叫び走り出した。

 見え見えの攻撃は回避してカウンターで胴を切り裂く、自分ならとそうする思っていると、


「やっぱり弱ぇ―――っ⁉︎」


 律の攻撃を避けたダルフがカウンターで律に剣を振るった、だが弾かれてしまった。

 別方向から攻撃を仕掛けていた筈の五十鈴が攻撃を盾で弾いたのだ。

 そして五十鈴の身体を借り、人一人分の高さまで跳躍した律は、刀を振り上げ重力に従い振り下ろした。


「今のは良かったな……だけど、俺にはお前の刀は効かねぇ!」


 ガッと律の刀はダフルの腕の薄皮一枚で止まってしまった。


「そんなの、私達が一番理解してます! それにあの人(葛葉)の隣に立つことは夢のまた夢だって!」

「……あぁ?」


 歯を食いしばり、カタカタと震える刀に更に力を入れた律が、独白し出した。


「でも、夢のままにしたくない! だから今証明させるんです!」


 プシッと律の刀がほんの僅かだが動いた。

 ダルフが驚き直ぐに振り解こうとしたが、刀は更に深く刺さった。


「……ッ。まさか、お前ら!」


 爆発的に力が強くなっていく律に、ダルフが叫んだ。


「レベルアップしやがったな⁉︎」


 そう、二人の力がいきなり強くなったのはレベルアップしたからだった。

 黒い兵士を掃討し終わり、頰についた血を拭っていた葛葉にもその声は届いていた。


「……」


 静かにみじろぎして、次は白い兵士達に襲いかかった。

 兵士達の白い鎧が血で汚れていく。

 同レベルとは言え経験等は格段に上だというのに、魔王軍の兵士たちは次々と倒されていった。

 なぜかと問われれば簡単な話しだ、葛葉の持つスキル『想像』によってアニメのように攻撃を避けるからだ。剣を振ろうが矢を放とうが、アニメの世界の住人のように避ける。


「……『紅焔凱』」


 さらに葛葉は魔法もスキルも自己強化系の能力だ。経験の差などは、超強化されたステータスの前では無意味だった。

 『死を思え』と『紅焔凱』の二つが掛け合わされば、Lv.3になった直後にステータスはLv.3の後半になる。

 今の葛葉に勝てるのはLv.4が二人掛かりか、Lv.5だろう。


「―――クソ、手間取らせやがって」


 レベルアップした二人を相手に腕一本で勝ったダルフ。その目の前には荒い息を吐く、地面に膝をつけた二人がいた。

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