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五話 苦渋の決断

前回の投稿から何日経ちましたかね……空いてすいませんでした!

「英雄様っ! ルナっ! 英雄様ぁ―――‼︎」

「カナデちゃん! 危ない!」


立派に建っていた我が家が崩れたことではなく、その下敷きになってしまった葛葉とルナを心配するカナデ。

悲痛を孕んだ泣きそうな声で叫び続けていると、カナデの下に火球が飛んできた。

咄嗟にカナデの身体を押し倒し難を逃れる律とカナデ。だが火球は絶えず降り続いていた。

砂塵が舞い視界不良のなか飛んでくる火球を避けるのは至難の技だった。


「律様! こちらに!」


盾を空に構えて降ってくる火球を辛くも防いでいる五十鈴が、伏せているだけの二人に声を掛けた。

ある程度は当たらないとはいえ、野晒しの状態ではいつか必ず当たってしまうだろう。

カナデは今動けそうにない上、律には火球を防ぐ術はない。

一応カナエのことは鬼丸が守ってくれている、これ以上に安心できることはないだろう。


「む、無理ですよぉ! 絶対死んじゃいますよ〜ぉ‼︎」


と雨のように降り注ぐ火球に律が涙目になりながらそう五十鈴に訴えた。

皆んな急なことにパニックになってしまい、正常な判断ができていない。

このままでは死んでしまう。


「うっ、葛葉様……!」


今も家屋の下敷きになっているであろう葛葉のことを考えながら、五十鈴は下唇を噛み締めた。

葛葉のことを一刻も早く助けたい、だがこんな状況では無理だ。なら、五十鈴達が取れる行動は?


「鬼丸様!」

「何じゃ‼︎」


辺りから響いてくる轟音に、自然と声のボリュームか上がった。

金棒をペンのように手の上で回して火球を跳ね除ける鬼丸。鬼丸になら皆を守ることが出来るだろう。


「私が後ろで盾を構えます! 鬼丸様は先頭に立って安全な所まで走って頂けませんか!」

「了解してやったのじゃ! 少し辛抱するがよい!」

「はい!」


非常時なこともあり、いつもの鬼丸なら嫌な顔して断りそうなお願いだったが、今は顔色ひとつ変えずに快諾してくれた。

鬼丸が律達を回収し火球が飛んでくる方向とは反対の方へ駆け出した。その後ろを五十鈴は盾を構えながら追った。大切な大切な人を取り残して。

カナデは五十鈴に引っ張られながら、絶えず降り続く火球と同様に葛葉のことを呼び続けながら、


「英雄様ぁ――――――‼︎」


手を伸ばし、声を上げるのだった。




村は当然だが混乱状態だった。突如飛来してきた幾多の火球。死者の数は計り知れない。

今五十鈴達がいるのは火球の射程外にある小高な丘だった。

村の人たちが何十人と集まっており、火柱が上がる村を眺めていた。


「なにが起こったんでしょうか……」

「知らんのじゃ……ただ葛葉が気付かんかったら、わし等もただじゃ済まなかったのう……」

「……」


そうあの時咄嗟に気が付いたのが葛葉だったのだ。

五十鈴や律とカナデ、勿論だがルナとカナエは気づきもしなかった。鬼丸は気が緩み切っていたがために気が付くのが遅かったのだ。

今も葛葉は火球が降り頻る中、家屋の残骸の下に居るのだろう。


「……よくあの判断出来たのじゃ。最悪わしがどうにかしようと思ったがのう……うぬが言ってくれた事にしばし驚いたのじゃ」


葛葉のことが大好きで尊敬する存在である五十鈴にとって、あの状況で葛葉を置き去りにするなんて耐え難いはずだったのは、気が付いている。


「そう、ですか」


だが鬼丸が褒めてくれようが、葛葉を置き去りにしている事実は変わらない。

今の五十鈴は、葛葉を一刻も早く助けだしたい、というその一心しかなかった。


「―――—そ、そこの冒険者の方々!」

読んで頂きありがとうございます‼︎

 少しだけ報告しないといけないことがあります。そんな大したことではないのですが。報告としては今後の物語において、キャラの設定や口調、性格にほんの少し変わったりするかもです。まだ定まっては居ないので頭の片隅の片隅に置いておいてください。理由としましては、今改稿している第一部の影響ですね。

 第一部が改稿し終わってからにしろや、というごもっともな反応は心の奥にしまってください、お願いします、すいません!

 長文になってしまい申し訳ないです。

面白いと思って頂けたら、ぜひブックマークと評価をお願いします‼︎

これからもお願いします!

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