二十三話 終わりへ
四章も終わりです!
―――そんなことはつゆ知らずの葛葉はというと。
あの後葛葉はカナデに連れられ、村の中央部にやってきていた。
「意外と大きいんだね〜」
「街には劣りますけど、この村もまぁまぁ大きいんですよ? 山菜が良く採れるのでお店も多いんです!」
と歩きながら、葛葉の独り言に答えてくれるカナデ。
確かに右も左も山菜を取り扱っているお店だ。多種多様な山菜が多いのか、種類も豊富であり品が被っている店も少ない。
ただ山菜以外の生ものが少ないのだ。
「肉は獲れないの?」
「そうですね、ここら辺は魔獣が多いのもあって山に狩りに行けないんです。ですから街から燻製になった物を仕入れたりするらしいですよ」
「へぇ〜」
「今日なんかは地竜だったので生ものが多いですけど」
そう言えば馬だと何時間も掛かると言っていた。街からここまで運ぶとなると、かなり時間が経つ。
それまでに生ものが腐ってしまうのだろう。
村も大変だな〜っと葛葉はカナデの後ろ姿を眺めながら小さな声で呟いた。
「というか、買い物はもう済んだんじゃないの?」
「はい、今日の分は済みましたよ。ですが明日の分はまだだったので……」
「そいうこと。……あ〜でも、時間が無いかもね。天気がすごく悪くなってきてる」
「あ、本当ですね。むぅ〜このまま英雄様と一緒にデート出来ると思ったのに〜!」
ぷんすかと天気に怒りだすカナデに、葛葉はまぁまぁと宥めるのだった。
あぁっと葛葉は、自然に声が出てしまった。なぜならここ数日は実に平和な日々が続いている。このまま続けば良いのに、と葛葉は感慨に耽った。
だが平和な日というものは、いつも突然崩れて無くなるものだ―――。
「―――楽しみにしていろ英雄、明日お前は試される」
読んで頂きありがとうございます‼︎
とうとう第四部四章も終わってしまいましたね……。次の五章ではどんな出来事が待ってるんでしょうかね!
次章をお楽しみに!
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