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十七話 母の思いと眠りの地

遅くなりました!

「―――もし英雄と呼ばれる資格があるとするならば、それは己を賭した者こそが英雄と呼ばれるのじゃ」

「―――っ!」


それは葛葉が前世で好きだったアニメのセリフだ。省略されているが、葛葉には一瞬で分かった。

顔を声の方へ振り向き、見てみるとそこには鬼丸がニヒッと口角を上げながら立っていたのだ。


「忘れたわけではなかろう? うぬの行動は英雄と呼ばれるに相応しかったという証拠じゃよ。それでじゃ目の前でそんなことされたら、女なんぞ一殺(いちころ)じゃろうて」


葛葉の思いを察して、鬼丸は自分のことを卑下する葛葉にその言葉を届けたのだ。


「あの子はね〜昔から英雄譚を読むのが好きだったの〜」

「……英雄譚ですか」

「そ〜。だからね〜葛葉ちゃんがしたことは〜英雄様みたいに映ったんだと思うの〜」


葛葉のこれまでは到底英雄譚とは呼べる代物では無いだろうに。

失って、失って、失ってばっかりだ。


「あ〜でも〜、あの子が〜そんなになるほど誰かを好きになるのは〜お母さん初めて知ったな〜」


理由がどうあれ、カナデがあそこまでヤンデレになる理由が分かったのだから、この話はもう良いだろう。

後少しでカナデも帰ってくるだろうし。


「……葛葉ちゃん」

「はい?」

「あの子のこと〜、これからもお願いね〜」


そしてカナエが最後に、娘を思う母として葛葉にそう言うのだった―――。




「英雄様、見て下さい!」


前を歩くカナデが草木を分けながら木々の間、木漏れ日が来る方へ先に進んでいってしまった。

声が前から聞こえてき、葛葉もカナデ同様に木漏れ日の方向へ足早に向かうのだった。


「……ん、すごい」


鬱蒼とした森から陽が当たる開けた空間に葛葉は出た。咄嗟に手を陽に翳して、目を細める。

前を歩くカナデの背中を視認した後に、周りの風景にも目を向けてみると、しんみりとした感覚があった。

読んで頂きありがとうございます‼︎

眠りの地、だいたい察しはつきますよね!

面白いと思って頂けたら、ブックマークと評価をお願いします‼︎

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