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十六話 憧れ

カナデはいずか葛葉のようになれるでしょうかね!

「・・・隠し事しなくてもいいのよ〜、あの子のことを今、一番分かってるのは私だからね〜」


葛葉の心の内を読んだのか、悟ったかのような表情でルナはそう言ってきた。

母は強しというが、人の心のうちも読めるとは……これが女の勘なのだろうか。


「じ、実は――」


葛葉は気が引ける思いをしつつも、ルナにカナデのことを話した。

カナデが自分のことを異常なまでに好いてきていること、何故そうなったのか考えていたことを。


「――なるほどね〜……多分ね〜葛葉ちゃんが〜あの子のことを助けたからだと思うよ〜」

「……?」


親身になって聞いてくれていたルナが、葛葉が話し終えて数十秒ほどしてからそう言葉にした。

確かにカナデのことを助けた、がなぜここまで好かれてしまうのか……。


「実はね〜あの子がたまに帰ってくる時にね〜、貴方の話は聞いていたのよ〜」

「え」


唐突で衝撃なカミングアウトに、葛葉は口を開けて固まってしまった。

黙っててごめんなさいね〜、と平謝りしながらルナは微笑んだ。


「とってもかっこいい、英雄様だって〜興奮しながら話してたのよ〜」


と間を開けルナはそういうのだった。

"とってもかっこいい英雄様"それは、葛葉が言われて一番嬉しい言葉だ。

幼少の頃からの夢だったのだから。それは『男』であった時も女であった時でも、変わらず幼少の頃から憧れていた夢だ。


「だから好きになったのよ〜、あの子は〜」


葛葉は目を輝かせて頬を赤らめさせて口を噤んでしまった。照れてしまったのだ。


「沢山の冒険者を〜片手であしらう強敵が〜街を襲ってきたんでしょ〜? あの子も〜その時ちょうど買い出しに行っていたのよ〜、それで巻き込まれちゃって〜間一髪の所を〜助けてもらったらしいのね〜」

「……そう、ですね」


鬼丸が街に襲撃してきた時のことだ。確かに間一髪のところを助けた。だが、背景が違う。

葛葉は鬼丸が現れた時、恐れてしまい何も出来なかった。ただ目の前の格上の存在に睨まれないように、じっとしていることしかできなかった。

かっこいい英雄なんて……そんな殊勝なものでは断じて無いのだから。


「……」

読んで頂きありがとうございます‼︎

カナデって単純な子⁉︎ チョロインは可愛いのでそれもありです!

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