十四話 カナデの母
ついに登場!
「……」
開けられた玄関扉、開けたであろうその人物は幼い女の子。ぽけ〜っとした顔で一番近くにいたカナデの顔をしばらく見つめて、カナデへ抱き着いた。
あ、なんか見たことある! この光景!
「お姉ちゃん‼︎ おかえり!」
と大きな声でそう言うのだった。
五十鈴達が「え……?」と疑問符を浮かべ、葛葉がそういえば妹が居たんだっけ? と村長の言葉を思い出す。
「ただいま帰りました、ルナ」
カナデが抱き着いてきた妹を離し、妹の頭に手を置いて優しく撫でてあげるのだった。
カナデの妹―――ルナ。カナデに頭を撫でて貰えて、嬉しいのか笑顔を浮かべ、早くと声を掛けてから家の中に戻っていってしまうのだった。
五十鈴がルナのことを眺めつつカナデに寄り、疑問を問い掛けた。
「妹さんでしょうか?」
「はい、そうです! 私の可愛い妹です!」
と葛葉のこと以外で食い気味になるカナデに、五十鈴達が呆気に取られてしまうのだった。
特に律が一番驚いていた。
「―――お帰り〜! カナデ〜‼︎」
カナデが葛葉達を家の中に入れようとした時だった、カナデの後ろに影が現れ、一瞬にしてカナデがその影に食べられてしまったのだ。
葛葉達が目を丸くし驚くがカナデを食べた影は呑気な声でそう言うのだった。
「むぐぐ……んん! ―――ぷはっ……お、お義母さん……!」
そんな影のホールドから抜けたカナデが、引き攣り笑いを浮かべながらゆっくりと後ろに振り向き、捻り出すように呟いた。
カナデの義理の親だ。
「お帰り〜…………あら? あらあらあら、カナデ〜? そちらの方達は〜?」
物凄くふわふわでマイペースな口調で、カナデの母は再びそう言うが、途中でカナデの後ろに居る葛葉達に気が付いたのだ。
目をパチパチと瞬かせて疑問符を浮かべながらカナデにそう尋ねた。
「あ、こちらの人達は私のー……先輩? 友達? 上司?」
尋ねられたカナデが紹介しようとして、悩み始めてしまった。葛葉達をどう紹介すれば良いのか……。
冒険者歴は葛葉達の方が長いのだから、先輩になるのか? それとも仲良くさせてもらっているのだから友達になるのか? それとも冒険者という職についているのだから上司になるのか?
考えだしてはキリがないのだった。
そのうち、ボッとカナデの脳みそがショートする音がするのだった。
読んで頂きありがとうございます‼︎
母親の容姿についてはあまり書いて無いのですが、これだけは言えます。超巨乳です!
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