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七話 時速150くらいですかね

地竜はバチくそ早いです!

そんな緋月の後ろで、葉加瀬は別にどうでも良くない? みたいな顔をしながら、今日も徹夜だったためか、まぁまぁ大きな欠伸をするのだった。


「それにね、何が気に食わないって言うとね! ボクが指輪を見る(たんび)に、フッて笑ってくるところなんだよ‼︎」


緋月が急にわぁーーー‼︎ 声を上げながらダンダンと地面に足を何度も何度も叩きつける。

あの顔を思い出すだけでも腹が煮えくり返りそうになる。


「マジックアイテムだろう? そんなにむきにならなくても良いだろう?」

「葉加瀬には分からんでしょうね!」


バッと振り返って来て、あっかんべーと子供のような振る舞いをするギルド長に、葉加瀬は目頭を強く抑えた。


「あぁもう! ムシャクシャするなー! 仕方ない、葛っちゃんから押収した、葛っちゃんの寝巻きの匂いでも嗅いで堪能しよっと」

「……シンプルに軽犯罪に触れてそうだね」


大層ご立腹な緋月は、息を荒くしながらドセクハラ? 発言をしながらギルドの中に戻っていくのだった。

その時だった。背中を力強く長くヤスリを押し当てられて、撫でられるかのような不気味な感覚を感じたのは―――。




オリアの街を出立してから一時間後。

もうとっくに街の姿は無く、竜車に取り付けられている小窓から見える外の光景は、綺麗とかでは無く残像だった。


「……景色がすごい速さで流れていってる」


小窓の外に何があるのか、どんな光景が広がっているのか、竜車の速度では全く見えなかった。


「これが竜車なんですね!」


と景色も楽しめないのに、ニパァーっと笑顔ではしゃぐのは相も変わらず律であった。

窓に頬をベッタリとくっつけ、キラキラとした目で流れていく景色を眺める律に、葛葉は微笑みを浮かべた。

竜車の中は思いのほか広かった。


「んー、確かに竜車ならすぐ着きそうだね」

「そうじゃなー」

「そうですねー」


……竜車の中にある座席は、左右に三人分のスペースと一番後ろに五人分のスペースがあった。

葛葉はその五人分のスペースの座席の真ん中に座っており、その両隣にはカナデと鬼丸がニコニコしながら座っていた。

しかも腕を二人にガッチリとホールドされていた。


「……狭くない?」

「そんなことないのじゃ〜」

「そんなことないですよー」

「いや、私が狭いんだけど……」


どんどん詰めて来る二人に、先ほどから思っていたことをついつい口に出してしまった。

鬼丸が小さいのが唯一の救いだった。

読んで頂きありがとうございます‼︎

きっと人を乗せる車の部分が無い状態で、地竜が本気出したらきっともっと早いんでしょうね。

早い……。

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