表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
367/751

三話 律の怖いもの

律に怖いもの⁉︎

―――ギルドに着き、中に入ってみるとまだまだ人は居らず、少しだけ伽藍堂だった。

これからやってくるであろう冒険者達のために、ギルド職員達がせっせと働いている。


「んー、居た」


そんな中一つのテーブル席の下で、フラフラピンピンと揺れたりして、意思を持って動いたりする髪の束があった。

そうアホ毛だ。

その揺れ動くアホ毛を見つけ、葛葉たちはそのテーブル席の下まで歩いて行った。


「お・は・よ・う〜、カナデ」

「あ、英雄様!」


葛葉が区切りながらそう言って、カナデと対面になる席に自然に座った。

五十鈴が葛葉に掲示板を見に行くと告げて、スタスタと離れて行くのに鬼丸も続いた。

そして残されたのは律のみ。

しかも律はカナデが怖いのだ。今さっきだって、普通の顔で普通の瞳で普通に朝食を食べていたのに、今は全てが異常になっているのだ。

目にはハートが浮かび上がり、葛葉を蕩けそうな顔で見つめて、艶かしくご飯を食べ始めたのだ。


(こ、怖いんですけどっ⁉︎)


そんなカナデが律は怖いのだ。

白目を剥いてドン引きしていると、ふとカナデの食べている朝食のメニューが気になったのだ。別に、美味しそうだとかお腹空いたとかではなくて。

脳みそをフル回転させ、律は深く深く考え込んだ。そしてやっと電球に光が灯った。恐ろしい事実に気が付いてしまったのだ。


(……そ、そのメニュー……朝、葛葉さんが食べてた朝食と丸っきり同じなんですがッ⁉︎)


その恐ろしい事実に気が付いた律は、あんぐりと口を開いて、更にドン引くのだった。

バッと葛葉に目線をやると、葛葉はあはは〜と何も考えてなさそうな顔で、カナデの食べる姿を眺めていた。


(やっぱりこの子怖い! は、早く葛葉さんに知らせた方が……っ‼︎)


葛葉の身の安全を守るためにも、このことはちゃんと教えるべきだ、とそう判断した律が葛葉に一歩歩み寄ろうとした時だった。

ギロッと、葛葉が「あの二人遅いねー」と視線をどこかへ向けた時に、カナデが律のことを鋭い目で見てきたのだ。

まるで口を閉じてろと言わんばかりだ。

律が全身を震わせてコクコクと瞠目しながら頷くのを見て、カナデはニコッと微笑むのだった。律には悪魔の微笑みにしか映らなかったが。

と二人がそんなことをしているのを、全て気が付いている葛葉が尻目に見ていた。


(大変だなー)


これから同じ馬車に乗ってまぁまぁな距離を移動すると言うのに、律のカナデに対しての様子に、葛葉は微笑ましく思いつつ頭を悩まされるのであった。

読んで頂きありがとうございます‼︎

律の怖いものに最近になってカナデが追加されたんですよねー。そんなに怖いですかね?

面白いと思って頂けたら、ブックマークと評価をお願いします‼︎

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ