二十二話 贈り物でもちゃんと実用的です!
今回で第四部四章最終話です!
「この指輪はのう、れっきとしたマジックアイテムでな」
そういうと鬼丸は葛葉の手を取り、指輪を葛葉の小指に塡めるのだった。瞬間、じんわりと身体の奥底で何かが湧いて来るような気がした。
「…………これって」
「わしが頼んで作らせた特注品じゃ、うぬのスキルは連発するとかなりの負担が伴う……そうじゃろう?」
「う、うん」
葛葉のスキル『想像(創造)』はかなりの強スキルだが、今の葛葉の使用限界は二十が限界だ。
それに葛葉が創造で造ったものは、皆脆く壊れやすい。何にもせず放置なんかしてしまうと、次の日には全くもって使い物にならなくなってしまうのだ。
「それを解決させてくれるものじゃ」
「……っ⁉︎」
葛葉のスキルはキツイ制限がなければチートと言っても差し支えないのだ。
だが今まで無双できなかったのは、そのキツイ制限があったから、それを解決させてくれるマジックアイテム。
どうやら遂に葛葉の時代が到来したみたいだ。
「ま、と言ってもじゃがな。物を『創造』できる回数を一、二程度多くしてくれて、頭痛をほんの少し弱めてくれるだけじゃ」
と勿体ぶったわりには効力が弱い気がする……。
すると鬼丸が葛葉の、微妙だなぁみたいな顔に気付き眉尻を少し上げて、葛葉の手の甲にしっぺするのだった。
「痛っ!」
「何をそんな顔をしておるんじゃ!」
「あぁごめんごめん」
「誠意がなっとらんのじゃ!」
葛葉は自分の手の甲を押さえながら、目端に涙を溜める。鬼丸の言い分は、珍しくごもっともだ。
「まったく、それほど葛葉の持っておるスキルが強力ということじゃ……。仮にも賢者に作らせたのじゃぞ」
はぁとため息を吐いて、鬼丸は葛葉の持つスキルに愚痴を溢した。そして最後にボソボソと何事かを言っていたが、葛葉には聞き取れなかった。
疑問符を浮かべながらも、葛葉は付けてもらった指輪を眺めて、少しだけ微笑んだ。
「―――鬼丸」
そしてまだ少しだけ起こってる風の鬼丸へ声を掛けて、小指の指輪を大事そうにしながら葛葉は、
「ありがとう!」
「―――ッ。…………ふ、そうか、そうであれば良かったのじゃ」
嬉しそうに微笑みながら、鬼丸に感謝の言葉を言うのだった―――。
読んで頂きありがとうございます‼︎
ちゃんと使えるようになってるので、鬼丸もちゃんと考えられるんですね! 凄い!
次回からは新章! んまぁ起こることはそんなに変わんないですけど。戦い続きだったですからね。
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