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十二話 新たな主人公が生まれ……?

るんでしょうかね?

「………………………ウゾダ……ウゾダドンドコドーン!」


数秒の沈黙の後、男が膝から崩れ落ちて叫ぶようにそう言うのだった。


「まぁそう言うことも多いからね〜」


ガチャッと部屋の扉を開けて入ってくるのは、のほほんとした顔でコーヒーカップを左手に持った緋月だった。


「お、多いんですか……⁉︎」

「うーん、十人にニ人?」


縋るように尋ねて来る男に、緋月は一瞬の思考の末に多いのか多く無いのか絶妙なラインの数を言う。

はっきり言って日本人が送られて来ること自体が少ないのだ。


「ふむ、だが無能力の代わりに身体能力が一般人を遥かに凌駕しているみたいだね。何かやっていたのかい?」

「ぇ……あ、あぁ〜…………。いや、な、何もして無いっす」

「―――え? うっそだぁ、先輩! 前に『俺は選ばれた者―――むぐっ⁉︎』


葉加瀬が紙に書かれた男の能力値を見て尋ねると、男は口篭りはぐらかしながら否定したが、横からニマニマとした笑みを浮かべながら余計なことを言おうとした美少女、その口を勢いよく手で塞ぐのだった。


「…………」

「………………ま、そう言うのに憧れる歳もあるよねー」

「その励ましはやめて下さいっ!!」


美少女の口を塞ぐのが遅かった為、微妙に葉加瀬や緋月に聞かれていたのか、しばらくの間の後に緋月が引き攣った微笑みと共に励ましの言葉を掛けてくれるのだった。

「う、うぅ〜……」と泣きながら男は膝を抱え横になって寝転がった。

もう既に男のライフはゼロだ。


「……異世界、怖い。……異世界、ヤダ。……異世界、怖い。……異世界、ヤダ」


ブツブツと死んだ目で似たようなことを連呼する男。

美少女は「あ〜ぁ」と男を見ながら呟き、査定機の下に向かった。


「―――っ⁉︎ 全能力値……む、無限⁉︎ しかも、れ、レベル7⁉︎」


査定機の結果にギルド職員が驚きに驚き、声を大にしてそう言うのだった。

その結果に葉加瀬が珍しく驚き、緋月がほえ〜とバカ丸出しの顔でぼーっとする。

そして聞き耳を立てていた、無能力の男がむくりと起き上がった。


「……は?」

「…………先輩、どんまいです!」

「はぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ⁉︎」


テヘッとどこぞの飴玉のキャラのような顔で美少女がそう言った。が、男はそれをかき消すほどの声量で叫んだのだった―――。

読んで頂きありがとうございます‼︎

新たな主人公にはしませんね。そんなことしたら主人公が何人になるんだか……。この作品でもメイン主人公は葛葉ですからね。

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