十一話 ワクワク! ドキドキ! 能力測定〜!
……今思えば葛葉ってかなりチートなスキルじゃないですか?
「つまり、君達は召喚だったのか」
「は、はい……」
カタカタとタイピングをしながら葉加瀬がそう尋ね、椅子に座って縮こまっている男は頷きながら返事をした。(目線は場違いなパソコンに向けられている)
「召喚される前は何をしていたんだい?」
「普通に帰ってました……こいつと」
男は葉加瀬の質問に素直に答えていく。自分達がこの世界に来た要因やその前に何をしていたかを。
葉加瀬の後ろではギルド職員が羽ペンで紙に何かを書いていた。
「急に目の前が真っ白になって、気が付いたら森ん中に居たっす」
「……なるほど。とりあえずはこれくらいでいいかな」
カタカタとタイピングをする手を止めて、葉加瀬はゆっくりとノーパソを閉じた。そして立ち上がり、隣に居たギルド職員に指示を出してから、二人に向き直った。
「さて、次はお待ちかねの能力査定だ」
「……も、もしかして!」
「あぁそうだとも。これをすることで君たちの保有している能力を調べることが出来るんだ」
「おぉ! さっすが異世界!」
縮こまっていた男が葉加瀬の言葉を聞いて、顔を上げさせキラキラとした目で葉加瀬のことを見た。
異世界転生、召喚物にはなくてはならない大切なイベントだ。
「先輩はどんな力持ってるんですかねー?」
「……ふっふっふ、俺は勿の論スーパーウルトラチート能力に決まt―――」
「―――えー無能力ですね〜」
男が美少女にドヤ顔しながらそう言って、持ってこられた能力査定の道具に触れ、そしてすぐに結果が紙に書かれることとなった。
結果は無惨にも"無能力"らしい。
それを聞いた男も美少女も、剰え葉加瀬すら査定機を見るのだった。
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この世界での無能力とはスキル未所持とおんなじ意味です。ま、この男の場合一般人よりも強いということになってますが、所詮は一般人です。
Lv.2と対峙した場合瞬殺ですね。
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