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四話 可愛い女の子の体を検査して何が悪い!

もっとだ、もっと過激な描写を……

二人の視線に気付いた緋月が、合点がいったという表情をし手を打った。


「これは違うよ。これは身体検査みたいなもんさ!」

「勝手に検査するのは犯罪じゃないんですか?」


見苦しに拍車が掛かった緋月の発言に、ボブサップ顔負けの正論パンチが緋月の横っ面をぶん殴った。

その言葉の暴力に緋月が倒れ込み、


「ふ、ふふ。葛っちゃん、今のは効いたよ……」

「何がですか」

「……はぁ、これ以上話しているとややこしくなりそうだ。本題に移ろう、何故葛葉ちゃんに夜這いを? いや、夜這いはいつかやると思ってたし。とりあえず何をしていたんだい?」


葉加瀬の発言に全くの信頼がないことに葛葉がひっでぇと呟く。てか、夜這いしないで欲しいんだが? と葛葉本人としての願いだ。


「何って、だから身体検査だって。半分下心があったのは認めるけどね」

「つまりは緋月は昨日の葛葉ちゃんの頼みの、戦闘技術の教えのために、葛葉ちゃんにとっての最適解である教え方を探すために身体検査をしたと?」

「そそ。てか、葉加瀬ってエスパー?」


ほぼ何の答えにもなってなかった緋月の、断片的な発言から葉加瀬は緋月の今回の行動の意味を読み取り、理解した。てか何であれだけで理解出来たんだ。


「つまり、これも修行の一環!?」

「……そ、そだよ〜」


葛葉はその緋月の言葉を聞き胸を撫で下ろした。何故なら、夜這いされた挙句に身包み全部脱がされて着ていたジャージを盗られ匂いを嗅がれたのだ、流石に度が行き過ぎてるが。

葛葉は緋月が目を逸らし、目を泳がせてるなんて露知らず、安心してしまう。


「さて、とにかく朝ごはんにしよう。修行は今日から開始なのかい?」

「いや、もうちょっと葛っちゃんを観察してからだね」

「言い方がなぁ」


あんなことした人が言うと犯罪っぽくなるのは当然なのだろうか?

パンパンと手を鳴らしてお開きお開き〜的なノリで部屋を後にする葉加瀬に緋月は続く。その間葛葉は真理っぽいけどぽくない事に悩んでいた――。




「はむ、はむはむはむ。……ング、君! これをもう一皿!」

「はい。かしこまりました」


猛スピードで一皿目を平らげた緋月は急いで飲み込み、近くを通ったウェイトレスに声を掛けて、また注文をした。それを朝ランチを食べながら凄いなぁと思いながら見る葛葉。そんな事は興味がないと言わんばかりにパンを千切ってクリームスープを付けて食べる葉加瀬。目線はずっとノーパソだ。

行儀は悪いが、葉加瀬さんらしいといえばらしい。


「まだかなー……まだかなー」


注文した料理を子供のように足を揺らして待ち、何度も呟く緋月に葛葉は本気で子供だと思った。

そして暫くして緋月の注文していた料理が届き、緋月がまた食べ始める。皿一杯にあった食べ物が凄い勢いで無くなっていく。……まるで、まるでカ○ビィに吸い込まれるように。


「……そう言えば、三人でご飯って初めてじゃないですか?」

「……ふぉうなねー」

「……んむ。あぁ確かにそうだね」


頰張り口の中が食べ物で満杯の緋月が頷き、葉加瀬が顎に手を当て数瞬思考してから頷く。というか葉加瀬とご飯を食べた事がないな。緋月とは何回か一緒にご飯を食べてたけど。


「最近は仕事の量も少なくなってね。私がやれば三十分で終わるくらいだからね」


さ、流石は葉加瀬さんだ。多分きっとその仕事の量は葉加瀬にとっては三十分だけど、常人だと何時間も掛かるような仕事量なんだろうな。


「まぁ、それでも相変わらず。ずっと仕事しないのが居るけど」

「……ふぁ、ふぁはせ?」

「葉加瀬さん、目が怖いです」


殺気に満ち溢れた視線を緋月に向けニコニコと可愛わしい笑顔の葉加瀬。緋月が葉加瀬に怯えて、葉加瀬の纏う雰囲気とその殺気に葛葉の心臓の鼓動が速くなる。

たしか葉加瀬さんのLvは8だったか。そんな人にこんな目されたら失禁するだろう。


「く、葛葉ちゃん‼︎ きょ、今日は何のクエストを受けるんだい!?」


葉加瀬の圧に耐えかねた緋月が縋るように葛葉へと声を掛けて来た。葛葉的には自業自得としか思えないが。


「はい。まぁ適当なのを」

「じゃ、ボクも着いていくよ。君の戦い方、その他諸々」

「……そう、ですか」

「……?」


緋月は葛葉の反応に気付いた。歯切れが悪く、何かを言い難そうなその表情と声のトーンに。

葛葉の戦い方はイカれている事に、緋月は気付かない。のちに目の前で見る事になる、狂気の舞に。

読んでいただき、ありがとうございます!

タイトル通り何が悪いんですかね?

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