表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
334/751

十四話 邪竜【八岐大蛇】

先に言うと【八岐大蛇】を含めて邪竜は後三体ですね。

「邪竜ってなんですか?」

「……え、葛葉様? 知らなかったんですか……?」

「え?」


葛葉の発言にギョッと驚き、恐る恐る葛葉に尋ねる五十鈴。

極東の邪竜のことを知らない人物は世界のどこを探しても、きっと今目の前にいる葛葉のみだろう。


「極東に封印されていた邪竜がかなり前に復活したんですが、今は休眠状態になったと……」

「復活?」

「あ〜〜〜〜〜〜〜〜……ま、いいか」


五十鈴の詳しい話を聞き、さらに詳しく追究を求める葛葉に、千佳は腕組みをしながら濁点が付いてそうな声で唸ってから、憑き物が取れたように起き上がった。

そして、こほんと咳払いをしてから極東の邪竜【八岐大蛇】の話をし始めるのだった。

――今から何百年も前、いやそれよりさらに前。極東の地に死と混沌をもたらした最悪の竜。極東の人々が一丸となり討伐に赴いたが、いずれも助かったのは数人で討伐すらも出来なかった。

そして邪竜の脅威が都まで届きそうになった時、当時の陰陽師全ての力で邪竜に呪いを付与し、邪竜を永遠の眠りに就かせたのだ――。


「そして伝承では八つの首を有していて、一本を斬り落とそうが再生し、八つの首は八つの属性魔法を有している。……って」

「八つの属性って……全部じゃないですか⁉︎」

「そ〜だねぃ。多分、それが厄介だから今も討伐出来てないんだと思う。私は戦ったことないから、どれくらい強いのかは知らないし」


腕枕をしながらギィギィと椅子でシーソーを始める千佳。千佳が冒険者時代の時は復活してなかったようだ。(ポンポン復活されては困るが)


「……ん? どうして今回復活しちゃったんですか?」

「……そ〜れが分からないみたいなんだよ。復活の要因はなんなのか、人為的か呪いの効果が切れたのかetc……」

「それまではずっと封印できていたんですか?」

「そだよ」


葛葉の物々しい顔とは真反対に、千佳はお気楽能天気みたいな顔で「正解ー!」と言ってくる。

今まで何事もなく封印できていた竜がいきなり復活? 不自然なことこの上ない。アニメとかなら絶対復活させる暗い描写が流されるだろう!


「ま、重く考えなくても大丈夫だと思うよ? ここから極東なんてすっごく遠いし……それに今の君じゃ()()()()()()?」

「……っ!」


その千佳の言葉には力があった。葛葉の思いを無碍にする力が。

千佳や上級冒険者、チート持ち転生者達にとって、葛葉のコレまでの成長は微々たるものでもなく、ただの塵芥なだけだった。


「だから、変な気は起こさないで欲しいかな? 君には生きてもらいたいし」

「……」


千佳の言葉に言い返すこともできず、葛葉はただ拳を握った。極東は、自分の仲間の大切な場所なのにだ――。

読んで頂きありがとうございます‼︎

前書きでのほぼネタバラシみたいなのはおかしいのではないか? と思っている人がいると思いますが、実際そうですね。ですが都合が合わないので。

それに邪竜一匹でも居ると世界がやばいですからね。そう言う設定です。

面白いと思って頂けたら、ブックマークと評価をお願いします‼︎

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ