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九話 律が見たモノとは

何を見るんでしょうかね〜

「律様。運ぶのを手伝って下さい」

「は、はい!」


リビングに入り律はいの一番に、ダイニングテーブルの上に置かれた料理を見やった。

すると、キッチンから料理の乗せられた皿を両手に持ってやってくる五十鈴に手伝うよう言われた。


「……あの、五十鈴さん」

「五十鈴でいいです」

「え、でも………五十鈴さんも様つけじゃ」

「私はパーティーメンバー兼メイドなので」


律は先のことを尋ねようと、五十鈴の名を敬称付きで呼ぶと、五十鈴はノールックで律に敬称を外すように言ってきた。

五十鈴が皆に敬称をつけるのは、今五十鈴も言ったようにパーティーメンバーでありメイドでもあるからなのだ。


「そ、それじゃあ……い、五十鈴。………………さん」

「入りませんて」


どうやら律は、どんなに頑張っても人にはさん付けしてしまうようだ。


「それで、どうしました?」


敬称外しが出来ないのなら仕方がない。五十鈴は気を取り直して、律が何を言おうとしたか尋ねる。まぁ大体は予想付くが。


「あ、はい。あの、鬼丸さんは何かしちゃったんですか?」

「……したと言うよりも、してたの方が正しいですね」

「え?」


五十鈴の予想外の言葉に律は目を点にした。


「今までは豪勢な食べ物だったんですが。つい先程、食費が限界を越えて増えていくのは不味いと思い、葛葉様に相談したんです」

「あ〜確かに豪勢でしたね……」

「はい。それで相談したんですが……鬼丸様は葛葉様にバレないように私に作らせていたらしく……それを知った葛葉様が怒りまして」

「なるほど……」


あとは大体察しが付く、食費が馬鹿掛かることなんて知らなかった葛葉が鬼丸に説教やらなんやらをしたのだろう。

そして罰として掃除をさせているのだろう。


「鬼丸さんがあんな怯え方するなんて……どんな風に怒ったんでしょうかね……?」

「凄まじかったですね」


あの怯えようでは相当な物だったことがわかる。

葛葉が本気で怒った時なんて片手の指で数えれるくらいしかない気がする。


「葛葉さんに怒られたら……私、すごく泣いちゃいそうです」


あの微笑みを思い浮かべて、優しい声のようで全く優しくない声に諭される、すごく泣きそう。


「準備も整いましたね。……葛葉様を呼んで頂けますか?」

「分かりました!」


最後の皿を机に置いて夕食の準備が終わり、五十鈴はずっと身震いをしている律に声を掛けた。

律はハッと身震いを止め、敬礼をしてからタタタと扉に駆けていった。


「葛葉さん! お夕飯の準備が出来ましたー……よ?」

読んで頂きありがとうございます‼︎

律が見たのモノとは! 次回、鬼丸死す‼︎ デュエルスタンバイ!

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