四話 家計簿の問題と増える問題?
本当にすみません‼︎
―――それから数時間が経ち、天辺にあった太陽が傾き出した頃に、五十鈴は家の鍵を閉めてから買い物に出掛けた。
律は朝に出掛けてから帰ってきてはおらず、鬼丸はどこかにいつの間にか出掛けており、葛葉は家で家事の手伝いをしてくれている。時間も時間になったため、葛葉が五十鈴を買い物に行かせたのだった。
「今日は何にしましょうか……」
昨日の夕飯は洋風の食事だったため、今日は和風にするのも一興。だが鬼丸が納得してくれるかどうか。
「鬼丸様が納得してくれる物……」
暴君であり我儘赤ちゃんの鬼丸は、よく好きな食べ物でないと暴れるのだ。その度に葛葉の上に座って、葛葉に食べさせるように強要するのだ。
「鬼丸様の好きな物を作りましょうか……いや、でも鬼丸様好みだと高いんですよね」
鬼丸が求める物は高級品ばかりで、庶民達には手が出せないような金額なのだ。一応クエスト等で稼いではいるが、『暴飲暴食の律』と『好き嫌いが多い暴君の鬼丸』のせいで食費がすごいことになっているのだ。
毎回家計簿つける時は目頭を自然と押さえてしまうようになってしまった。
「……最近は葛葉様のために休暇が多いですから、お金が……」
消費されていく毎日。もうそろそろクエストも再開させた方が良さそうだ。そう思いながら、大通りに向かうのだった。
「―――これはまた……酷い有様だね」
「暴れ過ぎだよね〜」
「なんじゃあ? 何か悪かったかのう⁉︎ 全く、街の平穏を守ってやったというのに……」
「結果、地形が凸凹だらけになったら意味ないよねぇ」
葉加瀬が地面をマジマジと観察しながら、目を覆いたくなる惨状にボソッとぼやく。すると、それに乗じて緋月がジーッと鬼丸のことを見ながら、昨日のことを思い返してボソッと呟いた。
鬼丸は緋月のその言葉に納得が行かないのか、少々声を荒げて緋月に食って掛かる。
「まぁ、街を守ったと言うのはあながち間違いでもないだろうね。結果はどうあれ……鬼丸の倒した兵たちは砲撃魔法を使用できる実力者だった。そこそこレベルは高かったはずだろうね、それを一人で倒したんだ悪く言う必要はないよ。それに、戦いに損害は付きものだから。……土木業者に仕事を振ってくれ」
「はい!」
葉加瀬は死体袋が並べられている場所を一瞥してから、ゆっくり立ち上がりながらそう語り、偶然通り掛かったギルド職員に仕事を振った。
そして目線を森全体に巡らせる。損害は付きもの、と言えど流石にこれは擁護できない。
まるでここに台風か竜巻が通って行ったかのような有様なのだから。
読んで頂きありがとうございます‼︎
誠に申し訳ございませんでした……。体調不良とはいえ、皆様を困惑させてしまいました。以後このような事がないよう、気を付けます。
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