三話 我儘のじゃロリっ娘に鉄槌を?
本当に忘れてたとかじゃないんだからね!
―――それから皆で昼食を食べ終わり、各々自由に過ごし始めるなか、五十鈴は庭で空を見上げていた。
「いい天気ですね……」
雲一つない快晴に、燦々と輝く太陽に手を翳した。ポカポカと暖かく絶好の洗濯日和でもあり、少し早いかもだが絶好のお昼寝日和でもあった。
「食べてすぐ寝ると、牛になるそうですよ?」
「ふふん! わしが牛なったならば、暴れ牛として都市一つを崩壊させてやろうかのう! わしは牛じゃしな!」
がっはっはっは! と意味の分からないことを述べて高笑いを浮かべる鬼丸に対して、五十鈴は最適解で対処した。
「……」
「……なんじゃ、連れないのう〜」
圧倒的無視である。
「五十鈴〜!」
バサバサと洗濯物を取り出し、洗濯物についている余分な水分を飛ばし、皺を広げて物干し竿に掛けようとした。その時だった、背後から声をかけられたのだ。
振り返って声の方へ視線を向けてみると、そこには私服姿の葛葉が歩いてきていた。
「葛葉様、どうかしましたか?」
「手伝いにきた〜」
ほわほわとした表情で葛葉は、カゴの中に入っている洗濯物を見ながら五十鈴にそう言った。
実際のところ、葛葉は暇で暇で退屈だったのだ。律とは昨日デートし楽しかったからまたしようかとも思ったが、どうやら律は用事があったそうで、用事があるからと断られてしまった。(凄く泣きそうな顔で)
「ありがとうございます。かなり大変でしたので」
「任せな、任せなー」
葛葉は「よっこらしょ」と呟き、洗濯籠から洗濯物を取り出して五十鈴同様にバザバサと振ってから、物干し竿に掛けていく。
「……鬼丸ー?」
「なんじゃ〜? 婚姻届は明日出しに行こうなのじゃ〜」
「バカなこと言ってない!」
「ぐぶぇッ――‼︎」
洗濯籠の隣で仰向けになって寝転ぶ鬼丸に、葛葉はニマニマと声を掛け「手伝え〜」という念を乗せた目を向けていると、鬼丸は目を瞑りながらバカなことを言い始めたのだ。
そんな鬼丸へ葛葉が、無防備の鬼丸の腹部に踵落としを繰り出したのだ。
「わ、我妻よ……今のは効いた……のじゃ。ガク……」
「ガクって……ほら早く! 起きて手伝って!」
葛葉に手を伸ばしフッと力を抜く鬼丸に、葛葉は無慈悲にもデコピンをお見舞いした。
「嫌じゃ、嫌じゃ‼︎ 働きとうないのじゃ!」
デコピンを喰らい鬼丸はゆっくりと目を開けて、むっと両頬を膨らませバタバタと癇癪を起こしだす。
それを見下ろす葛葉の目は、癇癪を起こしてる鬼丸が不味いかも、と思うほどに冷めていた。
「手伝うよね?」
「は、はい」
鬼丸は葛葉の放つ圧に気圧され、渋々頰を引き攣らせて返事をしてしまったのだった―――。
読んで頂きありがとうございます‼︎
はい! この度見事に体調を崩しましてね! 安静にしていたらもうこんな時間になってたんですよ!
なので忘れたとかじゃないんだからね!
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