表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
321/746

第一話 五十鈴の一日

早いですね〜

五十鈴の朝は早い。誰よりも早く起きて、自分の布団を綺麗に畳んでからリビングに向かい、朝食を作り始める。せっせと四人分の料理が物凄い速さで作られていく。

そんな時、ガタンと二階から音が鳴った。どうやら、また鬼丸がベッドから落ちたのだろう。とそんなこと思っていると、「あぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」という叫び声が外から聞こえ、庭に何かが落ちる音が響いた。

声の主は勿論のこと、緋月だった。


「―――おはよ〜」


リビングに取り付けられた小窓から、頭から地面に突き刺さり直立している緋月を眺めていると、後ろから声を掛けられた。

五十鈴は振り返り、お辞儀してから、


「おはようございます、葛葉様」


と挨拶するのだった。

その仕草はまさに貴族の一流メイドのようだった。


「朝ごはんは後どれくらい?」

「あと少しです。……良ければ、律様と鬼丸様を起こして頂けませんか?」

「うん、りょーかーい」


眠気眼を手の甲でゴシゴシと搔きながら葛葉は、身体を反転させて二階へと向かって行った。

階段を上る音が鳴り、しばらくして静かになってしまった。


「……寝てませんよね?」


天井を見上げて五十鈴は心配そうに呟いた。

―――それから暫くして、ホカホカの料理が並べられた机を眺め一息吐いてから、五十鈴はくるりと体の向きを変えてリビングの扉に向かっていく。

お願いしてから一向に来る気配がない葛葉達の様子を見にいくのだ。


「葛葉様は朝弱いですから……寝てるかも」


ギルドの部屋を借りていた時は、毎朝葛葉の世話をしていたのが五十鈴だ。故に葛葉が朝弱いのは勿論のこと、寝起きの時や寝ぼけてる時が可愛いのも知っている。

一抹の不安を感じながら、五十鈴は階段を登ろうとして顔を上げた。そして目を見張ったのだ。


「……ち、力尽きてる」


何故なら階段の手すりに手を掛け、膝を床に突いて顔を俯かせながらぐぅぐぅと寝息を立てている、鬼丸が居たからだ。


「というか帰ってたんですか……」


昨日は結局帰って来ることなく、葛葉も律も五十鈴も就寝してしまったのだ。まさか帰ってきているとは思っていなかった。


「……鬼丸様、鬼丸様。起きて下さい、ここは寝る場所ではないですよ?」

「……ぁう? にょ〜わっひゃっへるじゃ〜」


寝惚けているのが一発で分かるような言動で、五十鈴に抱きついて来る鬼丸。五十鈴は、はぁとため息を吐いてから、鬼丸の身体を持ち上げお姫様抱っこして、階段を降りていった。

そして洗面所に連れて行き、手を洗わせてリビングに連れていくのだった。

読んで頂きありがとうございます‼︎

気付けばもう第四部二章です! 物語の進行がこんなに早くていいんでしょうかね〜、いやそんな早くないですかね。ほぼオリアの街での出来事ですからね。

面白いと思って頂けたら、ブックマークと評価をお願いします‼︎

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ