一話 周りからの印象
こういうのはやっぱり成り上がり系だと無くてはですよね。
――一ヶ月後――
賑やかなギルド。冒険者が各々酒を飲み、パーティーの冒険者と楽しく話し合う。外はもうすっかり夜で、満点の月が夜空に登っており、その月が地上を淡く照らす。
そんな賑やかなギルドの扉が誰かに開けられた。勿論冒険者達の視線は扉に注目される。そして、扉を開けた人物を見た瞬間、冒険者達にどよめきが伝播した。
「お、おい、あれ」
「こんな時間までやってたなんてな」
二人の冒険者がヒソヒソと話、他の冒険者もヒソヒソと話出す。扉を開け、ギルドに入ってきたのは美少女だ。長く美しい紺色の髪に、同色の眉。クールっぽさがあって、少し幼い顔。大の大人の胸あたりまでしか無い背丈。
そして何より目を惹かせるのは、あの独特な防具だった。背中はもろ丸見えで、横乳だって拝める。あの歳の娘としては異様な防具だ。そんな美少女に見惚れる男性冒険者達は、同じパーティーの女性冒険者達に耳朶を引っ張られている。
「あれが……ラグスさんが師匠って言って尊敬してた人か」
「ラグスさんってLv.4だろ!? なんでLv.1の冒険者の弟子になる必要があんだよ……」
このギルドでは名の知れた人物――ラグス・ノーベック。彼がこの地を去って、すでに一ヶ月も経とうとしていた。
「でもよ、ラグスさんが認めたってことは本物なんじゃねぇのか?」
「どうだか。所詮はLv.1の雑魚だろうが」
このギルドの冒険者は誰一人、あの美少女を認めている者は居ない。
「ギルド長とその秘書のお気に入りだ。きっと自分を高く見せたいだけだろ」
「おいおい、やめとけって」
そんなヒソヒソ話は美少女のいる間、ずっと続いた。
読んでいただき、ありがとうございます!
今回のはあの後すぐに思いついたので、文字数が少ないですがあげてみました!