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TS化転生っ娘は、ちょっとHな日常と共に英雄になるため、世知辛い異世界で成り上がりたいと思います!  作者: んぷぁ
第四部 一章——激戦の後の静かな日々&律とのイチャイチャ編——
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十三話 葛葉の昔話

掘り下げはまだしませんがね。

ポカポカ陽気に照らされながら、葛葉と律は気が付けばかなり話し込んでいた。団子はすっかり食べ終わっており、二人は足をぷらぷらと振っていた。


「てことがあったんですよー!」


律が主に話をしていて、葛葉はその話を聞いていた。

時々笑ったり、時々反応に困ったり、時々言葉が詰まったりと、律と話しているとついつい色んな反応をしてしまう。


「ぁ……」

「……?」


そんな時だった、律が急に話を止め葛葉の顔をジーッと見つめて来たのだ。葛葉は、律の顔を見ながら小首を傾げ、律同様に律の顔を見るのだった。


「どうかした?」

「……あ、いえ。ただ、葛葉さんのお話は聞いたことないなぁと」

「私の話?」

「はい! 葛葉さんの昔話が聞きたいです!」


そういうと途端に、顔を思っきし葛葉の顔に寄せて来て、ふんすと興奮気味にそう言って来た。

葛葉は少し気圧され、前屈みの律とは反対に後ろに身体を反らせていた。


「と、とりあえず元に戻ってくれる?」

「あ、すいません……」


目の前に葛葉の双丘があることに気付いた律が、少し恥ずかしそうに葛葉に迫っていた体勢を元通りにした。


「……私の昔の話か」

「気になります!」


葛葉の呟きに、律がワクワクと言わんばかりに身体をくねくねと動かし、脚をバタつかせる。

そんなにか……と頬を引き攣らせ、葛葉は深く息を吐いてから何から話そうかと考え込んだ。

別に自分の話を人に話したところで、面白くもない。『葛葉』と葛葉の両方の記憶に違いは殆どない。男か女かの違いのみだった。


「別に大したことないよ?」

「いえいえ、ただお話が聞きたいんです!」

「そ、そう?」


そう。大したことない、凡人によるありふれた生活だった。この世界に来たことで、葛葉は凡人では無くなった。

律が憧れる『鬼代葛葉』という人物とは全く違う。凡人の生活を、葛葉は長々と話し始めるのだった―――。

―――それから数時間後、一通り話終わり、二人はすっかり茜色の空の下を肩を並べて歩いていた。


「……あ、あのさ。律? いつまで泣いてるの?」

「うっ、うぅ……だっでぇ。葛葉さんは……この世界に来る前から……そんな辛い日々を……うぅ〜」


目からポロポロと涙をこぼし、律は言葉を詰まらせながらも喋る。何処にそんなに泣く要素があったのか、葛葉には到底わからないが、多分きっと……。


「―――葛葉様?」

「ん? あ、五十鈴……⁉︎」


視線を律の横顔から外して、前を向こうとした時だった。すぐ横から葛葉の名を呼ぶ、聞き覚えのある声が聞こえたのだ。

ふとみてみると、そこには買い物帰りだろうか、手提げバックを持った五十鈴が立っていた。

読んで頂きありがとうございます‼︎

葛葉の過去話は……多分いつか、ここだ! って時に書くと思います。

面白いと思って頂けたら、ブックマークと評価をお願いします‼︎

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