十一話 ほのぼのと謎々
今日は少なくてすいません!
「……ん! これも美味しい……!」
自分も食べようと三色団子を一口、口の中へ入れた。そして噛むと同時に、口の中にほのかに梅の味が広がっていった。そしてもう一口食べると、次はほんのり甘い味が広がった。そしてもう一口、すると今度は抹茶の味が広がった。
「……ん〜美味しい〜」
ここにお茶があればもっと良かったのだが、ないものは仕方がない。
ほっぺが落ちそうなほど美味しい団子を堪能するのだった。のだが一度食べるのをやめ、葛葉は——割と随分前からあった——視線のする方へと向いてみると、視線の正体は律だった。
たらーっと涎が垂れそうになり、じゅるりと舌舐めずりをする律に、葛葉は容器の中に入っていたもう一本の三色団子を律にあげるのだった。
「……ふぇ?」
「そんなに見られてたら、こっちが食べにくくなっちゃうよ」
律の視線に、たははと葛葉はから笑いを浮かべながらそう言った。すると律は、ハッと自分が無意識にやっていたことに気付き、少し頬を赤くして、葛葉が差し出してくる団子を受け取った。
そしてすかさず、自分のみたらし団子を葛葉に差し出した。
「わ、私だけというのは流石に……!」
「ぁ……ふっ、ありがと」
そう言ってはにかみながら葛葉はみたらし団子を一口食べるのだった。
「―――消えた?」
目を通していた資料を静かに机に置いて、緋月は報告しに来たギルド職員の言葉に驚かされた。
それは葉加瀬も同様らしく、カタカタと鳴っていたキーボードの音が止んでいた。
「は、はい……! 遺体を火葬しようとして、目を離した隙に消えていたと」
「火葬部屋付近は探した?」
「は、はい! ですが、遺体どころか蟻の一匹も居なかったと……」
緋月の目が鋭くなり、真剣な表情をしだす。
消えた遺体とは―――葛葉が激戦の末に倒した元冒険者ヴァーンズィン・トイフェルの遺体だった。
「とりあえず分かった。……捜索は、あと二時間くらいはして貰いたいな」
「は、はい!」
ギルド職員に緋月はそう伝えた。お辞儀をしてからギルド職員はギルド長室を出て行くのだった。
読んで頂きありがとうございます‼︎
本日は少し諸事情がありまして、内容が少なめです。明日も少なめだと思います、すいません!
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