七話 感謝
最近、自分のポストにいいねが付くことが多くてニコニコしています☺️
「……葛葉さん」
律が何か葛葉に言葉を掛けようとすると、いつの間にか近寄っていたガルンディアに止められた。
「英雄様。……これがこの世界です」
「……」
「この世界では人が死ぬのなんて当たり前の世界なのです。今も、この瞬間にも誰かが命を落としているかもしれません。……その世界であなたは【英雄】になったのです」
「……」
ルプスの言葉に、葛葉は俯いて黙って聞くだけだった。律が、傷心中の葛葉に対してのルプスの言葉の羅列に、声を上げようとした時だった。
「分かってる」
「…………良かったです。今のあなたがすべきなのは、そうやって自分を卑下することではない。あなたのすべきことは……」
「人を救うために、もっと強くなる」
「はい。……安心しました」
俯いていた顔を上げ、力強い声でルプスの話の続きを、葛葉は自ら言ったのだった。
ルプスが胸を撫で下ろしホッとして、ガルンディアがただただ見つめるだけで、律がそう言った葛葉の背中を見据えて、感嘆の息を漏らした。
「この後は……?」
「ん、この後はギルドに向かうつもり。休んでて鈍った体を慣らしたいから」
「そうですか、ではお気を付けてください」
ニコッとルプスが微笑み見送ってくれそうな雰囲気になったと同時、帰ろうと踵を返した葛葉の前に立ち塞ぐ影があった。
「……?」
葛葉が目の前に立ち塞がった人物の顔を見て、首を傾げる。前に立ち塞がった人物とは、ガルンディアだった。
「……あの、何か?」
「…………ッチ。その、なんだ。……姉貴を助けてくれてありがとな」
葛葉とガルンディアの目が合ってから暫くして、ガルンディアが舌打ちをしてから、乱暴に頭を掻きむしりながらボソッと呟いた。
「……?」
「ガル、声が小さいですよ?」
上手く聞き取れなかった葛葉が首を傾げて疑問符を浮かべると、ルプスがはぁとため息を吐いてガルンディアに近寄って彼の尻尾を引っ張った。
「う、うるせぇ! ッチ、俺はこいうのは無理だっての!」
「感謝の気持ちを伝えるなら、はっきり声を出さないと」
ガルンディアの頬が次第に赤くなっていき、ついには口調が荒くなりルプスに声を荒げ始めた。
そしてガルンディアは気を取り直すと、葛葉の方に目を向けて、
「………………ありがとな」
今度ははっきりと、そう聞こえるようにガルンディアは、照れながらも言うのだった。
「どういたしまして―――」
読んで頂きありがとうございます‼︎
柄にも無いことをする不良キャラって良いですよね〜。
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