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三十九話 決着

あと多分一話で終わりです!

「チッ」

「ぅあ⁉︎ がはッ‼︎」


ナイフをまた新たに創造しヴァーンの腹に刺そうとした瞬間、髪を引っ張られ床に叩きつけられる。

衝撃で頭がよく回らない状態で、葛葉はヴァーンの顔目掛けて、ヴァーンの身体を這い上がり、顔面に強烈な膝蹴りを炸裂させた。

そしてそのまま膝蹴りした方の足で、ヴァーンのことを蹴り、空中で身体を回転させヴァーンのこめかみに反対の足の踵で蹴りを喰らわせた。

ヴァーンはこめかみを抑えながら蹌踉めき、倒れ掛けるのと同時に剣を葛葉へ投げつけた。


「―――っ⁉︎」


完全に油断していた葛葉は、防御が遅れてしまい、剣が鳩尾へ横向きの状態で鍔の所まで深く刺さってしまった。

倒れ掛けていたヴァーンは、気付けば目の前に立っており、剣の柄を握りそのまま、剣を横へ引き裂いた。そしてすかさず、葛葉の首に剣を突き刺した。


「……ごぶッ! が……あぁ……ッ!」

「おいおいぃ、マジかよ」


口から血を溢れ出して、腹部からも血を垂れ流しているというのに、葛葉はヴァーンを睨め付けながら、ヴァーンの身体に銃口を突き付けていた。


「普通ならぁ死ぬはずなのによぉ」


ヴァーンが愚痴をぼやくと同時に、銃声が何度も響いた。そして少ししてドサッと倒れる音が静かに響くのだった。

ボタボタボトボトと血を滝のように流しながらも、葛葉は喉の剣を引き抜くと、直ぐに身体が全快していった。


「……うぅ、違和感が……」


剣を投げ捨てて、喉の違和感に表情を歪める。当たり前だが喉に剣を刺されるなんて初めての経験だ。痛さなんて筆舌することすら無理だ。


「化……物がよぉ」


床に仰向けに倒れ、血の海が広がる中心部で呟くのはヴァーンだった。

あれ程の傷を覆ってもなお、余裕で治り、立っている葛葉に向けて、空笑いと共に言い放ったのだ。


「……」


ピチャピチャと血の海へ踏み込み、葛葉はヴァーンへトドメをつけようと近付いた。次の瞬間、両手首が切断され宙を舞い、肩が斜めにズレ落ちる。頬にもピッと一筋の切り傷が出来ていた。


「どぉう……だ……!」


だが葛葉はあまりリアクションをせず、直ぐに『想像』で傷を無かったことにしていく。ヴァーンの不可視の斬撃も、騙し討ちで放ってくるだろうとは勘づいていたのだ。


「たく……つまんねぇ、終わり方ぁだなぁ」


葛葉の顔を見て、ヴァーンは口角を少し上げて、諦めたかのように呟いた。腹に七発もの大きな穴を開けて、命の滴が出ていく。ヴァーンの内蔵はミキサーにでも掛けたようになっているだろう。


「……どうだぁ? これからぁ人殺しにぃなる気分はよぉ」


掠れた声で、嘲笑いながら葛葉に語り掛ける。葛葉は何拍か置いてから、ずっと閉じていた重い口を開けた。


「……意外と・・・普通」


ナイフを創造して、ヴァーンの身体に跨り、ヴァーンの胸にナイフを突き立てて力強く刺し込んだ―――。

読んで頂きありがとうございます‼︎

最後の最後で結構エグい描写が多かったですね〜。

そして、次で第三部は多分終わりになります。

面白いと思って頂けたら、ブックマークと評価をお願いします‼︎

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