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三十七話 そう簡単に

物事は……

―――葛葉の伴侶(仮)と、葛葉のことが好きな変態と、好き過ぎるあまり狂愛とかした少女達が、ガヤガヤと騒いでるのを尻目に、葛葉はヴァーンへ猛攻を仕掛けていた。


「――っ⁉︎」

「チッ――」


だがヴァーンは、葛葉の猛攻の一瞬の隙をついた攻撃が、葛葉の腿に傷を作る。だがそれはあまりにも浅かった。


「……――っ‼︎ ぐっ―――‼︎」


葛葉へ攻撃したことが仇となり、葛葉の強烈な拳がヴァーンの腹部へクリティカルヒットし、かなり遠くへノックバックした。

蹈鞴を踏みながらもどうにか体勢を整え、葛葉のことを睨む。


「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」


汗だくで膝に手を付き、浅く荒く呼吸をするヴァーンとは反対に、葛葉は少量の汗に準備運動をした程度の荒い呼吸で、余裕は有り余っていた。


(どぉなってやがぁる? ……俺ぇのレベルはぁ7だぞ? なのに、どぉうしてこぉんなにも追い込まれるっ⁉︎)


一方で、余裕が無くなってきたヴァーンは、目を点にして唇を強く噛んでいた。

Lv.7とLv.2の差は雲泥の差だ。例え葛葉が強くなろうがレベルという壁は、そうそうに乗り越えることは出来ないのだ。


「―――私はあなたを許しません」

「っ⁉︎」


静かに葛葉はヴァーンへ言った。だがその声に殺意や憎しみの感情は載っていなかった。

ヴァーンは少し驚愕し、葛葉の目を見てしまった。背筋が凍り、脚が竦んで動かず、全身の鳥肌がたって、身震いが止まらない。


「ですが……」


葛葉の目に感情は宿っていない。ただただ虚で何も無い、空っぽなのだ。ヴァーンは震える手で剣をどうにかこうにか構えた。


「恨みはしませんよ」

「っらぁああああ――――っ‼︎」


構えた剣を大きく振り上げて、葛葉に振り下ろした。だが腕を掴まれたと思った瞬間に、身体が引っ張られ顔に衝撃がやってくる。

地面にゴロゴロと転がりながら倒れ、起き上がろうと何度も腕に力を込めるが、顔への衝撃が抜けきらず、まともに力が入らないのだった。


「がっ……うっ……ぐぁ。あぁ〜クソが」

「……」


やっと衝撃が抜けきり、ヴァーンは頭を抑えながら立ち上がった。


「たく、急にぃ強くなんなよなぁ」


ゴキゴキと首の音を鳴らして次は肩を回す、ヴァーンは表情を曇らせながらも狂笑を浮かべていた。

身構えて葛葉が瞬きをした時だった。


「このままじゃあ……花がねぇなぁ」


そんな囁くようなヴァーンの声を聞いたと同時に、ズブッと片手剣が葛葉の腹部に深く刺さり、顔を鷲掴みされ地面に強く叩きつけられる。

目をパチクリさせて動き出そうとすると、引き抜かれた片手剣の傷へ、何度も踏み付けるような強烈なキックが炸裂した。


「ぐっ! うっ、づッ⁉︎ ―――っ‼︎」


一気に防戦一方になってしまった葛葉だったが、直ぐに反撃を開始する。

ヴァーンへ向けて『創造』で作り上げた手榴弾を三つ投げた。瞬時に手榴弾は爆発し、咄嗟に腕で防いだヴァーンの腕がズタボロになるのだった。

読んで頂きありがとうございます‼︎

主人公が敵を圧倒するのはどうなんですかね……。最強系なら別に良いんですが……なので敵キャラにも花を持たせるべきですよね!

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