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三十二話 再現

熱い展開!?

「たくっ、痛ってぇなぁ」


声の方へ目を向けると、ヴァーンがトントンと靴の爪先を床に叩いて、首を捻って狂笑を浮かべ、剣を振り回していた。そのヴァーンの身体には傷一つ付いていなかった。


「……葛っちゃん。さっき銃声がしたけど」

「は、はい。あの男に撃ちました……!」

「外したの?」

「いえ、全部当たったはずです……」


無傷のヴァーンに、葛葉だけでなく緋月もどうやら不審に思っているようだった。


「じゃあ、アイツが何か仕掛けを隠してたんだろうね」


確かにヴァーンの着ている服には銃で撃たれた跡が残っている。服はそのままで自身の身体のみを回復させたのだろう。

だがヴァーンに確認されているスキルも魔法にも回復系統のは何一つ無かったのだ。緋月が強くヴァーンのことを睨んでいると、


「―――緋月さん」

「……? どうしたの?」

「アレは私に殺らせて下さい……ッ‼︎」


緋月の肩に手を置いて、葛葉は力強い目で訴えかけた。緋月は目を瞬かせて、えぇっと〜? と困惑の表情を浮かべていた。


「君に出来るのかい?」


顔を横に振って、緋月は真剣な表情を取り戻し、葛葉へそう問い掛けた。

葛葉はその緋月の言葉に力強く頷いたのだった。


「分かった……。なら、あの子が悲しむような事はしないようにしてね」


緋月はそう言って、葛葉の背中に手を置いて押してやった。


「んじゃ、あのクソ野郎をボッコボコにしちゃって!」

「……はいっ‼︎」


葛葉は背中を押してくれた緋月に振り返り、勢いよく返事をして、ヴァーンへ振り返った。

振り返る瞬間、葛葉の満面の笑みに緋月が鼻の下を伸ばしていたのを見て、すこし引いてしまった葛葉は気を引き締めて歩き出した。


「けひひひ……大人しぃくギルド長にぃやらせぇりゃいいのによぉ〜」

「……いえ、私だけで十分です」

「はっ、そうかぁよぉ。なら、死ぬ気で掛かってこいやぁ」

「……『紅焔鎧』――っ!」


葛葉が淡い焔を纏い、自身の猛る意志を力に変える。そして葛葉はその付与魔法と並行して、とあるスキルなのか魔法をも行使した。


「なんだぁそれはぁ」


葛葉の美しい紺色の髪の所々に銀のメッシュが入っていく。その姿にヴァーンは目を点にして、唖然と呟くほかなかった。


「あの後聞いただけで……自分でも何だったのか分かりませんでしたが。Lv.1の時であれほど強化できた力です、『想像』での再現だとしても、あなたを倒すことは出来るはずです!」


紛い物の力だとしても、その力は微々たる物では無いはずだ。偽物が本物に大きく劣っている、なんて道理はない。

もしかしたらその偽物の方が何百倍も優れているかもしれないのだから。(それにアニメとかでコピー能力のキャラは総じて強いし……)


だからあと必要なのは、目の前のクソ野郎を倒せると確信する事だけだ。


「ひひっ、まぁ何でもいいかぁ……。来いよ」

「行きます‼︎」


葛葉はナイフを構えて、手で挑発して来るヴァーンに斬りかかるのだった。


読んで頂きありがとうございます‼︎

ここでまさかのアレが! とても熱い展開ですね!

面白いと思って頂けたら、ブックマークと評価をお願いします‼︎

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