十四話 身勝手な期待
今日でドチャクソ早くの投稿は終わりになります!
そんな男がきっと居るのだろうと葉加瀬は勘繰って居るのだ。なんせ一度だけ合間見えた相手なのだから。
「彼が……ガルンディアがこの街にやって来たのは、あの男を殺し、姉を救うためだ」
葉加瀬は首を横に振り、一拍置いてから言い直す。小比類巻やカミラは、ただガルンディアと仲間なだけで、13年前の事件に関係があるかと問われれば、ないとしか言えない。
「似てる……か」
「……緋月。いつまでそうしてるつもり?」
「……」
ぐてーっと机の上に突っ伏して、だらしなくボーッとする緋月に、葉加瀬はため息を吐きながら、緋月の頭にチョップを繰り出した。
「確かにそうですね、いつもの緋月様らしくありません……」
「……葛葉さんが攫われたというのに、妙に聞き分けがいいですもんね」
葉加瀬の問い掛けに、五十鈴と律も一緒に緋月へと問い詰める。だが、緋月は直ぐには答えず、ぐてーっとしていた身体を机から起こして、ゆっくり口を開いた。
「葛っちゃんには、覚悟を持ってもらいたい」
「――まさか……!」
緋月はただ一言そう言っただけ、それなのに葉加瀬が過剰に反応したのだ。五十鈴と律が首を傾げて少ししてから、葉加瀬が咳払いをして、また緋月に詰め寄るのだった。
「緋月……それは余りに酷だ」
「分かってるよ。でも、あの子が【英雄】になった時点で、定められてた事だよ。この世界を救うには、みんな仲良く手を取り合って……なんかじゃない。この世界を救うには、悪を殺し正義を貫き通すことが唯一救える方法だから」
それはその場に居た全員が、今まで見てきた緋月とは全くの別人と思ってしまうほど、真面目な顔で緋月がそう言ったのだ。
「あの子には、早いうちに知って欲しいんだ。……人を殺すと言うことを、その罪の重さを、そうする事で得られる物があるのか、ないのかを」
人と戦ったとしても、葛葉は殺意がぶつかり合う対人戦はド素人だ、下手したらその戦闘で命を落とすかもしれない。そんな事がないように、いざと言う時に躊躇ぬように、人を殺すと言うことを知って欲しいのだ。
「緋月……」
「葛葉様が、人を殺すなんて……」
「出来るんでしょうか……。葛葉さんはとっても優しいので、出来ないと思うんですけど……」
葉加瀬が哀れむかのような目で緋月を見て、五十鈴と律が不安そうにブツブツと話をし出す。あの心優しい少女が殺しなど、葉加瀬ですら出来るわけがないと思ってしまう。
「あの子なら、きっとやれるさ。……そして、いずれ知る事になる。人を殺さなくては行けなくなる時があると――」
読んで頂きありがとうございます‼︎
前書きでも言っていた通り、今日でドチャクソ早くの投稿は終わりになります。まぁ今後も六時とかに投稿できるように努力はしていこうと思います。(六時がキツイ場合は七時になると思いますが……何卒ご理解を!)
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