表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
270/753

十一話 虎の子

金曜日はいつも通りです!

――あの爆発音から約四時間が経っていた。あの爆発後緋月達は直ぐに動いたのだった。

爆心地へ赴き、何があったのかを調べた結果、葛葉が他の冒険者と戦闘し、謎の男が介入して連れ去って行ったという事が分かったのだ。

そのことに緋月と鬼丸達が憤慨し、今直ぐにでも葛葉を奪還しようと躍起になったのだが、このことを見越していたかのような葉加瀬が諭し、奪還よりも先に奴隷商狩りに専念することにした。

そしてヒソヒソとしていたはずの、奴隷商に買われた傭兵達が決起し、街中での戦闘が多々起きたのだ。それを重く見た葉加瀬は、迅速に傭兵達を捕縛していき、残りを街の外に追い出した。そして全員を捕縛するために外にテントをはり、指揮系統を整え残党の追跡と、奴隷商が放った魔物の討伐にあたっていたのだった。


「――いやぁ〜まさか、あの二体を奴隷にしていたとはね」

「かなりレベルの高いテイマーが居るんだろうね」


一通り報告を聞き終えた二人はため息を吐きながら、奴隷商の放った魔物達について話していた。


「……さて、葛っちゃんはどうしよっか」

「男が連れ去ったという証言だけで、肝心の動向はよく分かって居ないからね」


緋月達が入手したのはその証言のみだった。故にその男がどう言った人物なのか、連れ去って行った詳しいところも不明。捜索するとしても人数が足りないのだ。


「ねぇ、どうにか出来ないの〜」

「なんじゃ、わしは千里を見通す目など持っておらぬぞ?」


緋月がお手上げだとばかりに手を振って、キャスター付きの椅子で、待機を命じられた鬼丸達の所にスライドして行きながら、鬼丸に声を掛けた。そんな緋月に、眉を顰めて鬼丸はぶっきらぼうに応えた。


「いやいや。だって君って伴侶なんだろう? んじゃあ、そのお相手の居場所も分かるんじゃ無いかな〜っと思ってね」

「……そ、そうじゃな〜。確かにうぬの言う通りじゃがな〜。じゃが、伴侶の誓いにそんな力は無いのでの〜」


含み笑いでツンツンと、鬼丸の頬を突いて煽るような口ぶりで聞いて来る緋月に、鬼丸が拳を握り締める。だが溜飲を下げ、負けじと言い返した。


「ふっ……」

「……何じゃ〜その笑みは?」

「いやぁ……そっか、君は葛っちゃんの伴侶(笑)さんだったんだねw」

「――」


ブチッ! と緋月以外の全員にも聞こえたその音は、どうやら鬼丸の堪忍袋の緒がキレた音だった。

五十鈴があ〜ぁと諦め嘆息し、律が・・・? と状況を理解出来ず、葉加瀬がはぁ〜っとクソデカため息を吐いて、緋月があ、ヤベといった表情を浮かべる。

メラメラと鬼丸の背後に、ある筈ない炎が、何故かはっきりくっきり見えてしまうのだ。幻覚だろうか?


「ここで殺り合うのは勘弁してくれないか……」


葉加瀬が目頭を抑えて言い捨てる。

バギボギゴキャボキャと、もはや折ってるレベルの音を手から鳴らし、鬼丸は般若の形相で緋月に歩み寄って行く。それに対して、一歩二歩と緋月が後退っていく。


「ふむ、なら伴侶(笑)じゃないところを、見せてやるのじゃぁ……」


葉加瀬の言葉を聞いて、鬼丸はフッと鼻で笑ってから、回れ右をしてテントの出口に向かって行った。

テントを出る直前、鬼丸はそう言い残して出て行ってしまった。

読んで頂きありがとうございます‼︎

今日もこの後用事があるので早めです!

さぁ、鬼丸も動き出してしまいました、この先大丈夫なんでしょうかね!

面白いと思って頂けたら、ブックマークと評価をお願いします‼︎

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ