二話 絶望と愚痴と
遅れまくった上に今日は内容が少なくてすいません‼︎
ガチガチと歯軋り音を鳴らし、息が自然と荒くなっていく。怒りが理性を抑え込み、感情が目の前の男を殺せと叫ぶ。
この鉄格子がなかったら、今頃この男は死んでいただろう。
「ひひ、ひゃひゃひゃ‼︎ んだよぉ〜! テメェもやっぱよぉ、【英雄】じゃねぇかぁよぉ‼︎」
男はそう、狂人のように笑いながら、傍で痛みに悶え苦しむ少女に手を向けた。そして直ぐに魔法陣が浮き上がる。
「ま、待て――! や、やめ――……ろ」
葛葉のそんな静止も意味なく、魔法が少女の身体を木っ端微塵にし、辺りに血と悪臭を撒き散らしたのだ。
葛葉の頬にも血が飛び、そのまま頬を伝って床に垂れる。瞳孔を開き切り、息が出来ないほど絶句して、葛葉は男の顔を見た。
「……ぁ」
全身に鳥肌が走り、今にも逃げ出したい衝動に駆られる程に、男の顔は人間のものではなかった。まるで、怪物か悪魔のどちらかのようだった。
「綺麗にぃしとけぇ。俺ぁよぉ、やっことあっからなぁ」
後ろに立っていた一人の傭兵に、男はそう告げるとスタスタと葛葉が入れられている牢の前から、去って行くのだった。
「はぁ、こんな殺し方すんなっての……」
男が去って暫く経った頃、バケツとモップを持って来た傭兵が愚痴をこぼしながら、少女だったモノを片付けて、血の海になった床を拭き始めるのだった。
(……地獄だ)
体育座りで顔を埋めて、葛葉はそう誰にも聞こえないくらいの声量で呟いた。
読んで頂きありがとうございます‼︎
本日は諸事情により遅れました……すいません! 明日は少し内容を多くします、絶対に。
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