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二十話 フラグ回収とまた巻き込まれるあの子

なんなんでしょうかね〜

「不安ですね……」

「ま、あの子も強くなって来てるし。まぁ、大丈夫っしょ」

「……はぁ、緋月。それはフラグだ」


緋月の軽率な発言に、目頭を押さえて葉加瀬がため息と共にぼやいた。日本人ならば、誰もがそう思うであろう言葉を、軽々しく緋月は言ってしまったのだ。


「大丈夫大丈夫、立ちました! って聞こえて来なかったからさ」

「それは死亡フラグだよ。……まぁ話を進めるね」


何処かのTシャツ死神っ娘が頭に浮かぶが、葉加瀬はギリ? 名前を言わなかった。

そして今のこの街には巡らされている包囲網の説明や、東西南北の街道に続く正門と、街道に配備された憲兵とギルド職員による検問が設置されており、ネズミ一匹も出れない完璧な包囲網であることを説明した。


「だが……正直に言うと、これらはあまり役に立たないだろうね」

「な、何故?」

「……私には分かる。この包囲網は突破されると」


自信満々に語っていた葉加瀬が突如として放った言葉に、全員が驚いた。


「は、葉加瀬さんが考えたんじゃ……?」

「ん? 私では無いよ、ギルド職員達が考えたんだ」

「え〜……葉加瀬〜。部下の仕事をそんな風に言うのは良く無いよ〜」

「……仕事をしてない奴が何を言ってるのだか」


と自信満々に自分の部下が考えた作戦案を説明していたらしい葉加瀬が、揚げ足を取りに来た緋月にカウンターを決め込んだ。

そう、緋月は何もしていないのだ。


「普通の……ギャングや闇冒険者、魔族戦だったなら、この包囲網はかなり有効だったろう。だが、今回は相手が相手だ――」


葉加瀬がそう呟きながら、コーヒーの入ったコップを手に取った、その瞬間。

ドゴォンという聞き慣れない轟音が、葉加瀬のみならず全員の耳に届いて来た。


「な、ななな何ですか⁉︎ 一体!」


律が丸くなりガクガクと震えて、


「……煙でしょうか?」


五十鈴がカーテンを開け放ち、窓の外で立ち上る黒煙を眺めながら言葉を呟き、


「ほぉう」


鬼丸がニヤッと口角を上げて、


「え〜……」


緋月が表情を引き攣らせるのだった。


「ほらね……フラグ回収完了だよ、これで」

「ご、ごめんて」


カップを置き、はぁとため息を吐きながら、うんざり顔で、葉加瀬は緋月を睨むのだった。


「報告を頼む。……爆発原因の確認と、負傷者、死傷者の有無。爆発箇所から近い部隊に知らせろ、他は動くな」

「了解しました!」


控えていたギルド職員に、葉加瀬は指示を飛ばした。ギルド職員は頷き、返事を返してから駆け足で、リビングから出て行った。


「……爆発ってことはさ〜」


窓の外を眺めていた緋月が、葉加瀬に振り向いて一言、


「葛っちゃんじゃ無い?」


そう言うのだった――。

読んで頂きありがとうございます‼︎

葛葉の巻き込まれて体質は、もうどうする事もできないですね。フラグも相まって。

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