十九話 そいう星のもと……
今日は遅れました……。いつも投稿する時間の時、寝てました……。
「我々ギルドは、二週間前から奴隷商がここに来ることを知っていた」
「え? なんで黙ってたんですか?」
始まったばかりの簡易的な会議で、律が開幕速攻葉加瀬に質問を投げ掛けた。
「ん〜、国家間の問題だからね。あらかじめ許可は出てたけど、冒険者……いや、ギルドっていう組織の性質上。大っぴらに事を起こすのは流石に不味いからね」
冒険者ギルドという組織は、日本で言うところの警察みたいなものだ。自ら行動する事ができず、何か問題が浮き彫りになったり、人に害をなすようになってから、やっと重い腰を上げるのだから。(個人の意見です)
「ということはじゃな……この二週間で、奴隷商の対策は出来ているのじゃな?」
「はい、完璧に。……ですが、それでも不安要素が残ります」
「ほう、それはなんなのじゃ?」
断言した葉加瀬が、少し表情を曇らせて、付け加える。その、付け加えは両方とも不安になる言葉だ。
「奴隷商の雇った傭兵……その傭兵の中のリーダーです」
「……傭兵じゃろ? 不安になる意味が分からんのじゃ」
「いえ、そのリーダーは元冒険者だったんです。冒険者カードを強制的に剥奪された時のレベルは4。もう十年も前の話です」
「……なるほどのう」
葉加瀬の話が本当ならば、不安に思うのも無理はなかった。冒険者達が自分の、ステータスやレベルを確認する方法は一つだけ、それは冒険者登録した時に貰える、冒険者カードを見る事だ。
冒険者カードの仕組みは簡単で、所有者のレベル、またはステータスが上がると、刻まれたステータスが変わるのだ。それで、自分がどれくらい強くなったかを、冒険者達は確認するのだ。
それに剥奪されたとしても、一度その資格を与えられた者は永続するのだ。冒険者を名乗れないだけで、ステータスやレベルは上がるのだ。
「れ、レベル4って、私たちの四倍……ですか」
「数字だけなら、二倍じゃな。わしは」
「……十年も前の話ですか。だとすると、Lv.1は上がってると予想して良いですね」
「あぁ。……だが、そうそう表には出て来ない奴だ」
そこで葉加瀬は話を止め、ただ真顔になってジーッと全員のことを見てくる。
そんな葉加瀬の目と表情に、五十鈴と緋月と鬼丸が「あー」と言わんばかりの顔を浮かべる。
「なんか、嫌な予感がするのじゃ〜」
「わ、私もです……」
鬼丸が頬を引き攣らせ、五十鈴が申し訳なさそうな声で、緋月が「ンー」と仏のような表情で唸る。
そうそう表には出て来ない。その言葉がとても引っかかるのだ。何故なら、この街には【英雄】が居るのだから。
「……へ?」
皆んなが真剣な顔つきで、うーむと唸っている中、律は何故皆んなが唸っているのか、理解していなかった。
「わしの伴侶は……色々と面倒ごとに巻き込まれるのう〜」
「まだ決まってないけどね。うん、そういう星のもとに生まれたんだろうね〜」
あの巻き込まれ体質は、どうにか出来ないのか。
葛葉の今までの戦いは、巻き込まれてばかりだった。それで大怪我をして、痛い思いをして、また巻き込まれる。
何者かが悪意を持ってやってるとしか思えないのだった。
読んで頂きありがとうございました‼︎
本当に巻き込まれてばっかりですね……。まぁ、メタイこと言うとですね、物語の主人公ですからね。
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