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十一話 凶狼の人助け

もう三月!?

「チッ……卿が醒めやがった」


舌打ちをしながら、足元の小石をコツンと蹴ると、小石は弾丸のように壁に飛んで行った。


「ひ、ひぃ‼︎ な、なぁ! 許してくれよぉ、俺は何もやっちゃいねぇんだ! 金ならやる! だから許してくれよぉ」


ガルンディアの目の前には、腰を抜かして見苦しく命乞いをする、先程の男性が居た。涙や鼻水で顔をぐちゃぐちゃにして、成人男性のはずの男性の顔は見るに堪えなかった。


「……あァ? テメェは、そうやって今まで何人、命乞いする奴らを殺してきた」

「ふぇ、ふぇあ?」

「殺される覚悟もしてねぇ奴が、一丁前に奴隷狩りになってんじゃねぇ‼︎」


そういうと、ガルンディアは男の顔に蹴りを喰らわせた。泣き喚き、口を大きく開けてた男の口の中に、見事的中。靴が男の口の中に入り、顎を外して歯をバキバキに砕いた。


「あ、あ――――――――――――――――ッ‼︎」


声にならない叫び声を、男は身体を地面にぶつけたり壁にぶつけたりして、悶え苦しみながら叫ぶ。その光景を見ていた、ガルンディアが男の後頭部を、目一杯の力で踏み付けるのだった。


「……おい、出て来い」

「――っ」


ビクンと男の身体が大きく跳ね、そして次には一ミリたりとも動かなくなってしまった。

それを見て、ガルンディアは焦る事なく、建物と建物の間に隠れていた少女に声を掛けた。


「怪我はねぇか?」

「……な、無い……です」

「そうか。じゃ、少し待ってろ。もうそろアバズレがここに来るからよ」

「アバ、ズレ?」

「あぁそうだ。まぁ、ゴリラっつうのも合うだろうがなっ――⁉︎」


そうガルンディアが口にした直後。頭の側面を襲った衝撃に、為す術なく近くにあった壁に、身体全体を減り込ませるのだった。


「誰がゴリラだ」


それは殺気だったカミラの声だった。


「痛ってぇなぁ! テメェ、ヒーラーだろうが! 怪我人増やすなや!」

「……怪我人? あぁ、もしかして治療させて貰えると思ってたの? 大丈夫、安心してよ。バカに掛ける治癒魔法は無いからさ」

「あァ? 上等だアバズレがァ‼︎ その髪、全部引きちぎってやらぁ‼︎」

「やれるもんならやってみなさいよ!」


壁から身体を引き抜いたガルンディアが、蹴ってきただろうカミラに詰め寄り、怒鳴り声を浴びせる。

それに怯む事なく、カミラはガルンディアを煽り、遂には取っ組み合いの大喧嘩となってしまった。


「――ふっ、あはは。あははは!」


その二人を見ていた少女は、思わず吹き出して笑い出してしまうのだった。

読んで頂き、ありがとうございます‼︎

ガルンディアは思春期の男の子なのでね、同い年の女の子には意地悪になってしまうんでしょうね! カミラも似た様な物でしょう!

面白いと思って頂けたら、ブックマークと評価をお願いします‼︎

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