表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
245/745

六話 狂愛と弁当

少し遅くなりました!

「あ、葛葉さん!」

「おはようございます。……緋月様も」

「おっは〜」


リビングに入るとそこには、ダイニングテーブルの上に並べられた出来立ての料理達があった。ソファや暖炉が置かれた所では、律が道具を傍らに広げて――壊れない刀とは言え、手入れをしていた。(家宝であるし) 


「今日も来ちった!」


テヘッと緋月は下を出して、飴のキャラのような表情をするのだった。


「律様、もう出来ましたよ」

「あ、はーい」


最後のお皿をテーブルに置き、五十鈴が刀の手入れをしていた律に声を掛ける。律はすぐに返事をしてら、道具を一箇所にかき集めて、駆け足でテーブルの下にやって来る。そして全員が席に着いた。

皆でいただきますと言い、朝食を食べ始めるのだった。


「葛葉さん、今日はクエストやるんですか?」

「ん〜一昨日やったからねー。今日はいいかな……皆んなもゆっくりしたいでしょ?」


ここ約二週間、葛葉達はたまにクエストに出てはこの新居でゆっくり過ごす、と言う日々を繰り返していた。

時に五十鈴と共に買い物へ出かけ、律と共に街を散策したり、鬼丸と共にリビングで日の当たる場所で昼寝をしたりと……。まさにのんびりした日常を送っていた。

のだが、時々その日常を犯す、イレギュラーが来るのだった。それは緋月ではなく……。とその時だった。カンカンと、ドアノッカーの来訪者を知らせる音がリビングに届いたのだ。


「……またかな。食べてていいから」


葛葉が少しうんざりして、席を立ちリビングを出て行き、玄関へと向かう。緋月は朝食を頬張りながらそれを見ていた。が疑問に思い、五十鈴に尋ねることにした。


「誰なんだい?」

「………葛葉様のお友達、になるのでしょうか」


言葉を選びながら答える五十鈴に緋月は疑問を深めるのだった。

再度カンカンとなる扉の前で、葛葉は意を決してドアノブを掴み、扉を開けるのだった。


「……カナデちゃん」

「おはようございます」


扉を開けると、そこには微笑みながら挨拶をして来る――葛葉が助けた少女、カナデが立っていた。手には弁当箱に近い容器を持っており、美味しそうな匂いが漂って来ている。そして両手には、絆創膏みたいなのを着けていた。


「お、おはよう。今日も?」

「はい! 英雄様の為に作って来ました」


そう、カナデはほぼ毎日こうして、自分が作ったご飯を渡しに来るのだ。


「あ、ありがとう……」

「どういたしましてです。英雄様、感想お待ちしていますね!」


弁当箱らしき物を葛葉に渡して、カナデは手を小さく振り屋敷の玄関前から去って行ってしまう。

……どうしてこうなったかと言うと、あの日に出会い次の日にまたすぐに出会ったのだ。

そこから、葛葉はカナデと仲良くなっていったのだ。

そして驚く事にカナデは冒険者になっていたのだ。そんなカナデに、先輩風を吹かしたかった葛葉が色々と教えたりして、感謝の気持ちとして持ってくるようになったのだが。

毎日なのだ、このことが起きるのが。


「……それでも普通に美味しいんだよね」

読んで頂き、ありがとうございます‼︎

美少女から弁当を貰えるなんて……葛葉はなんで幸せなのでしょうかね〜。羨ましい限りです。

面白いと思って頂けたら、ブックマークと評価をお願いします‼︎

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ