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五話 相変わらずの日々

今日は早く投稿できました!

朝を告げる陽光が、自室のカーテンの隙間から差し込み瞼を焼き、気持ちの良い眠りから気持ちの良い覚醒へ誘う。はずだったが、実に……最悪な気分だった。


「ん〜葛葉よぉ〜」

「ん〜ふふふ、葛っちゃんのおっぱ――ガフェッ⁉︎」


目を開ければ、葛葉の隣で幸せそうに腕に抱きついて眠りに着く鬼丸が居た。そして重いと思って顔を胸元に向けると、そこには葛葉の胸に顔を埋めて頬を擦り、手で胸を揉み揉みする緋月が居た。そして葛葉はそんな緋月を、自室の壁に全力投球して緋月は頭を盛大に壁に打ち付けるのだった。


「鬼丸、私もう起きるよ」

「……ん〜わしは後少し寝るのじゃ〜ぁ」

「ちゃんと自分で起きれる? てか、起きてね?」

「ん〜」


葛葉が居なくなった分、ベッドを大きく使い鬼丸はスヤスヤと大の字になって、また眠り始めるのだった。


「……く、葛っちゃん。もう反応しないんだね……」

「…………ギルドから遠いのに、わざわざこんなところまで来て、壁に叩き付けられに来る人に、なんで毎日反応しないとなんですか?」

「あはは、葛っちゃんは冷たいなぁ」


そう、緋月はわざわざギルドからやって来てセクハラしに来るのだった。


「……はぁ、あの日の緋月さんは何処へ」

「ふっふっふ。今も君の目の前に居るじゃないか!」

「すいませんが、どちら様ですか?」

「わぁーーー⁉︎ 葛っちゃんに忘れられたら生きてけないよぉ‼︎」


葛葉の渾身の赤の他人の振りに、緋月がジタバタと慌てて葛葉に抱きついて来る。あの日から早十二日。緋月は何も変わらず、葛葉もただ新居での日々を過ごしていた。


「冗談ですよ。……全く、今日も食べていきますか?」

「うん! 五十鈴ちゃんの料理は美味しいからなぁ〜」


涙目で葛葉に抱きついていた緋月は、葛葉の言葉を聞きすぐに表情を変えて、顔を必死に縦に振る。ここ最近、緋月は葛葉の下にやって来ては朝食を食べてギルドに帰ると言う日々を繰り返していたのだ。


「さ、行きますよ」

「わーい」


葛葉が自室の扉の取手に手を掛け出ていく、緋月もそれに続いて嬉しそうに足を弾ませて着いていくのだった。

眠りこける一人を除いて、葛葉の部屋には誰も居なくなる。シーンと静まり返った部屋の中で、鬼丸は、


「……むぅ。わしも起きればよかったのじゃ。……しかし、何か隠しておるなぁ」


布団を口元まで引っ張り、緋月のことを思い返しながら鬼丸は眉を顰めるのだった。

読んで頂き、ありがとうございます‼︎

かなり残酷なお話が続いたので、このお話は安心できる日常回で、心があったりますね!

面白いと思って頂けたら、ブックマークと評価をお願いします‼︎

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