四話 惨劇の結末
おぉうし! 今日は早いですね!
かなり走り続けた頃、ようやくあの傭兵達が居なさそうな森の中で休憩を、ガルンディアと姉はとっていた。
「……」
「……」
二人は話すことすらなく、ただ疲れを癒すのみだった。ただガルンディアは違かった。
握る拳の力を更に強めて、歯が折れそうになる程食い縛り、目から血が流れ出しそうになるほど眉間に皺を寄せていた。あの男の顔が忘れられない。いや違う、忘れるわけにはいかないのだ。
「――なんだぁ。こんなぁとこぉにぃ居たのかぁよ」
復讐を誓っていると、何処からともなく憎き男の声が森の中に響き渡った。
二人とも背中合わせに辺りを警戒し、男が何処から現れるか待っていると、
「ざぁんねんだなぁ。ここだぁ」
そして、ザシュっと刃物が物に刺さる音がした。
ガルンディアが腹部を見てみると、剣が右腹部を貫いていた。そしてそれはガルンディアだけでなく、姉もそうだった。
「ひひひっ」
男はそう笑うと剣をグリングリンと半回転をしまくった。一回するごとに、内臓がシェイクされ、想像を絶する激痛が走る。
「あ、ああああああああああああああ‼︎⁉︎」
痛みに足をジタバタさせ、ガルンディアは暴れまくる。一方で姉はそんなことをされても、歯を食いしばるだけだった。
「なぁんだぁ……強ぇのはこっちかよぉ」
泣き叫ばない姉のことを見て男はニヒッと凶悪な笑みを浮かべた。姉はそれに物怖じせずに、男の目を真っ向から睨めつけるのだった。
「ひひひ。テメェでいいかぁ、んじゃ、とっととぉ行くかぁ」
男はそう言うと、小さなナイフを数本取り出して一本を、
「――うっ⁉︎」
姉の喉仏に刺すのだった。そしてもう二、三本のナイフを腕に腿に、脇腹に刺して意味も無いのに苦痛を与えるのだった。
「――か、かひゅ。ひゅ、ひゅぅう」
姉はナイフを刺された状態でも必死に呼吸をする。目からは大粒の涙が溢れて、頬を伝って地面に滴り落ちるのだった。
そして男は剣をクルッと横に向けてから、一気に引き切った。
「――グァェガッ」
ガルンディアは痛みに、妙な音が喉からなり、そのまま痛みに意識が闇に沈んでいってしまった。だが、沈む途中連れ去られる姉の顔は見えていた。その顔は安堵しているかのように見えたのだった――。
「――っ! …………チッ、久々にクソみてぇな夢を見みまった」
深夜、真っ暗な部屋で悪夢により汗だくになったガルンディアが、身体を起こすのだった。
「……姉ちゃん。待ってろよ」
部屋に差し込んで来る月明かりを辿って、ガルンディアは空に浮かぶ月を物凄い形相で睨めつけるのだった。
読んで頂き、ありがとうございます‼︎
……多分きっとmaybe、今後もこういう描写は描くと思います……。大丈夫です、病んでは居ませんので!
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