三話 残酷な結果
今日も少し遅いですかね……。
「そ、そんな……。あの人が……あの人が」
「おやぁ? 傭兵ん中に、好きな男でもいたかぁ? ……ひひひ、もしかしたらコイツかもなぁ!」
男はそう言って、手に渡されたナニカを母の前に乱暴に投げ付けるのだった。そしてそのナニカは放物線を描き、地面に落ち、ゴグッと鈍いを音を鳴らし、母の前にそれはコロコロと転がっていった。
「…………ぁ。い、嫌。嫌、嫌よ。そんな、そんなこと…………ぁ。い、嫌ぁ、嫌ぁあああああああああああ‼︎」
「ッチ、コレだから女は……。すぅぐヒスを起こしやがらぁ」
転がって来たナニカとは、ガルンディアの父の頭だった。ガルンディアと姉は絶句しており、母は頭を抱え膝から崩れ落ちた。
「……ふぃひゃひゃひゃ。あ〜ぁあ、面白れぇなぁ。……けどよぉ、もうなぁ? 黙れやぁ」
「……――て」
男が一頻り笑ってから母へ手を翳した。その瞬間、父の死に取り乱していた母が正気に戻り、ガルンディア達を見て口を動かした。そして次の瞬間、地面から先が鋭く尖った土の槍のようなものが勢いよく飛び出したのだ。そして飛び出した位置は、母の足元だった。
ガルンディアが目の前の地面から消えた母を探そうと上を見上げようとした時、ぐんと衝撃が走った。
「――っ!」
それはガルンディアを引きずって逃げようとする姉によるものだった。
目端から涙を溢し、ガルンディアを掴む力にさらに力を加える。離さないように、手放さないようにと。――母の遺言のためにも。
「ふひゃひゃひゃ‼︎ バラバラじゃねぇかよぉ‼︎」
ガルンディアはそれを見た。ちゃんと見えているのか疑ってしまいそうな虚な目で。
土の槍のような物が母を串刺しにした後に、四肢が千切れ始め宙を移動して、先端の尖った場所に到着すると順々に刺さって行ったのだ。
「……はぁ〜ぁ。壊れちったなぁ。んがよぉ、今回は奴隷を取っ捕まえに来たからよぉ……。そうだなぁ、あのガキ共をよぉ追うとするかぁなぁ」
必死に逃げていく遠くの背中を見ながら男は、不気味に歪んだ笑みをさらに歪ませた。
読んで頂き、ありがとうございます‼︎
……何でこんなに残酷なシーンを描いてしまったのでしょうか。
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