二十話 異常な愛
今日は物凄く早い!
カナデ、この少女はすごく日本人に酷似している。容姿もそうだが、名前も日本人女性に似てる名前だ。
「そっか、カナデちゃんか」
「英雄様! 出来れば今度また会いましょう! 私、話したいことがたくさんあるんです!」
「……良いけど。話したいこと?」
「はい! いっぱいあるんです!」
「そう。ならその日は一日中空けておくよ」
「ありがとうございます!」
カナデはとてもハキハキした性格なのか、とても元気がある。というか有り余ってる感じする。元気百倍ならぬ、元気百万倍だろうか。
「あぁ、ごめんねカナデちゃん。もうそろそろ帰らないと……」
今の時間は大体六時前くらいだろう。夕日はまだ出ているが、もうそろそろ見えなくなって来る頃だろう。
いつもなら、ギルドの食堂で晩ご飯を食べに行く時間なのだが、今日からはそんな事はできなくなってしまった。それに今日の夕ご飯の当番は葛葉であった。
五十鈴が「やります」の一点張りであったが、流石にという事で分担するようにしたのだ。(鬼丸はやりたくなさそうだったが)
効率も良い上、買い出しはすでに済ましてあるため、後は作るだけだ。
「そうですか……残念です」
「ごめんね。それじゃあまた今度」
―――葛葉は手を小さく振りながら早歩きで新居へ向かって行ってしまう。それをカナデは手を振り返しながら、頬を紅潮させ顔を蕩けさせて、甘い吐息をし葛葉の見る目が変わった。
「……英雄様ぁ」
艶のある声でカナデはそう呟いた。
カナデの葛葉を見る目は、はっきり異常だった。本人の前では見事に隠したが、本人が遠くになり見えなくなるとそれは本性を現した。
ハート目に似た瞳をたたえ、カナデは蕩けたような微笑みを浮かべるのだった。
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こう言う主人公を溺愛してるキャラって……良いですよね。
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