五話 雑草を燃やそう!(良い子は真似しないでね?)
雪が凄いですね……。
そして雑草は一斉に、葛葉達の方へ振り向いた。
「…………どうやらこれは、雑草の妖霊という魔物見たいです」
「ざ、雑草の妖霊⁉︎」
突飛な単語に葛葉が驚きながら、五十鈴へ振り返る。と、そこには何か辞典のような物を抱えた五十鈴が居た。
「……と、とりあえず……雑草の妖精なのね」
辞典の情報なのだろうなと葛葉は即察した。塀を乗り越えようとする雑草達にナイフの切先を向ける。律も刀を構え、鬼丸はまた魔法を行使しようとしている。
「で、その妖精さんはどう倒すの?」
「根の中心にある核を破壊するか、根を断つか。この方法でしか倒せません」
「なるほどのう。じゃから、わしの魔法で全滅しなかった訳じゃな」
五十鈴の説明を聞き、鬼丸は先の魔法の失敗の理由を理解した。鬼丸が燃やしたのは、茎から葉までのみで、残念ながら根を燃やしては居なかったのだ。それに根は土の中、それじゃ燃やそうにも燃やせない。
「ならば葛葉よ。其奴らを土から離すのじゃ、さすればわしの魔法も効くじゃろう」
「……わ、分かった!」
葛葉が指示を聞き、塀の中へ走り出すと同時、塀を登り外の土に根の足をつけようとした雑草が燃えた。葉や茎、根までもが燃え上がる。その勢いは凄まじく、前の燃え広がり方の比にならない。
「左は律に任せるよ!」
「――え、あ、はい! 任せて下さい!」
時短のために、葛葉は律に反対の方を片付けるように指示を飛ばした。
雑草の数はかなり多く、ざっと五十はいるだろう。律は指示を受けて、刀を鞘から抜き葛葉が飛び込んだ方とは反対側に飛び込んだ。
「どっ……せいっ‼︎」
葛葉よりも大きい雑草の妖精は、見かけに反してかなり軽かった。蹴りを入れれば後ろの雑草諸共、かなりの数が一度に倒れるのだ。距離を詰められたとしても、かなり優位に戦える相手だ。
そして葛葉は鬼丸に言われた通り、雑草達を殴ったり斬ったり蹴ったりして、地面から少し離す。すると一瞬にして雑草の妖精は灰塵と化すのだった。
「魔法の効果知ってるから良いけどさっ! ……やっぱ怖いよ!」
雑草の妖精を下から殴り付け、地面から数センチ浮かす。すると一瞬で目の前に炎が現れて、ものの数秒で雑草を燃やし尽くすのだった。
それを見て、葛葉はボソッと呟く。
鬼丸の魔法を一度喰らい、説明までされたのだ、だから信頼はあるし、指定した場所以外が燃えないということだけは分かる。のだが、やはり目の前で急に燃え始めるのは、心臓に悪い。
読んで頂き、ありがとうございます‼︎
皆さん体調はいかがですか? 雪が凄いので風邪をひかないようにしましょう! 風邪を引いたら、この小説を読みましょう! 早く治りますよ!(嘘)
面白いと思って頂けたら、ブックマークと評価をお願いします‼︎




