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TS化転生っ娘は、ちょっとHな日常と共に英雄になるため、世知辛い異世界で成り上がりたいと思います!  作者: んぷぁ
第三部 三章——わっくわっくのみんなで暮らせる一軒家!——
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四話 まさかのまさか

はてさて何が起きるんでしょうか?

ボロボロの廃墟と化した屋敷。門から玄関まで続く道は、雑草によって足の踏み場も無く、素足で歩いたら傷だらけになりそうなほどだった。


「これは……酷いですね」

「住めるようにって、どうするんじゃろうなぁ?」


葛葉に次いで、五十鈴と律が入り鬼丸は欠伸をしながら屋敷を見上げる。住めるようにすると、緋月は間接的にだが断言していた。なら住めるようになるんだろうが、今の屋敷を見ていると到底そうは思えない。


「とりあえず雑草をどうにかしないとね」


生え散らかし放題の雑草に目をやりながら、葛葉は無いはずの袖を捲る。五十鈴がガサガサと荷物から何かを取り出そうとし、律が鞘から刀を抜き陽光を反射させる。鬼丸は相変わらず欠伸をして、屋敷を囲う塀にもたれ掛かっている。

葛葉も鋭利なナイフを創造した。


「のうのう、そんな事せんでも。わしの魔法で良いとはないかのう?」


塀にもたれ掛かって居た鬼丸が葛葉達に声を掛ける。掛けられた葛葉達は鬼丸へ振り向く、と同時に鬼丸は手を突き出し唱えた。


「『燎原之火』」


そして間髪を入れずに――後一歩で葛葉が死にそうになった――魔法を行使した。それは指定した場所、範囲にあるモノを問答無用で焼き尽くす炎の魔法だ。しかも指定した場所、範囲とモノ以外は燃えもしないのだ。


「……う〜わ」

「す、凄まじいですね……」

「暑い」


葛葉があの時の記憶を思い出して青ざめ、律は一斉に燃え上がる雑草に驚き、五十鈴がボソッと愚痴を呟く。屋敷の塀の範囲と雑草を指定したのだろう、見事に雑草と屋敷の敷地内だけが燃えている。


「ほれ、これで終わりじゃ……」


鬼丸が焼け野原になった敷地内を見ながら呟き掛けると、同時にドサドサと地面の中から雑草が再び生え始めたのだった。焼け野原だった敷地内は、今はもうジャングルと化していた。


「え? 何これ」

「…………この現象は」


確かに燃えたはずの雑草が、一瞬にして生えて来るという謎現象。葛葉が困惑の声を上げるが、五十鈴は何か思い当たる節があるのか荷物をまた漁り出した。


「わわわ。ま、まずいですよ⁉︎」


生えて来る雑草がニョロニョロうねりながら、屋敷の一階分ほどの大きさまで成長する。地面からは雑草の根も這い出て来ており、鞭のようにしなやかに振り回している。


「き、キモっ‼︎」


這い出て来て移動し始める雑草達。その光景は正に、キモいという言葉を体現しているのかのようだった。

読んで頂き、ありがとうございます‼︎

雑草の妖精っていう意味の分からない魔物ですね。

面白いと思って頂けたら、ブックマークと評価をお願いします‼︎

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