二話 可哀想は可愛い! part2!
前にもこの題名のありませんでしたか?
「ぞんなぁ‼︎ 葛っちゃんはずっどごごにいでよぉ‼︎」
泣き喚いて案の定掛け布団を吹っ飛ばし、葛葉の身体に飛んで抱き着いて来る緋月。嗚咽混じりで涙もわんさか流しだしている。
「い、いやいや。もう長い事お世話になってますし」
「ぞんなぁ‼︎ ……うっ、うぅ、ぐすん。うう」
「やめて下さい」
そしてまたまた案の定葛葉の身体を弄り始めるのだった。
「居なくなっちゃやだよぉ〜」
自分の頬をスリスリと葛葉の身体に擦り、手を葛葉の胸に伸ばす。葛葉は緋月の手を払い落としながら、引っ付く緋月を剥がそうと試みるが、剥がれそうに無い。葛葉がため息を吐き、脱力していると、
「わー、新鮮ですね……」
アイテム整理をしていた律が葛葉の下にやって来てそう呟いた。そういえば、律はこいう場面の時は、あまり居なかった気がする。
「う、ぐすん。りっちゃんもそう思わないかい?」
「え?」
「そう思うだろう〜!」
「え、ちょちょっと⁉︎ え、えぇ!? そ、そこは駄目ですよぉ‼︎ あ、やめて下さいぃぃ〜‼︎」
標的を葛葉から律に変えた緋月が、律に抱き付き顔を胸に埋め、空いた手で律の身体を貪り始める。
「く、葛葉さ〜ん!」
ドサっと二人は床に倒れて、動物のじゃれ愛のようにイチャイチャする。
側から見たら、緋月が律に寝技を掛けているようにしか見えないが。緋月も先まで流していた涙は何処へやらで、今は大きな双丘に顔を埋めて幸せそうにしている。
「羨ま……じゃなくて、やめて下さいよ。律は遊び道具じゃ無くて、抱き枕なんですから!」
「ひ、酷く無いですか⁉︎」
葛葉は緋月を引き剥がそうとし、何故か律を上げて落とした。半べそだった律も流石にツッコミに入る。
そんな葛葉と緋月のフィールドに巻き込まれてしまった律が、次に助けを求めたのは五十鈴だった。うるうると涙目で五十鈴を見て、助けを懇願するように見つめ続けるが……。プイッと五十鈴はそっぽを向いてしまった。
「…………う、うぅ〜私が泣きたいですよぉ」
抱き枕よろしく、律は緋月に引っ付かれる。
とうとう味方がゼロになってしまったことに、律は哀愁を漂わせながらシクシクと涙を流すのだった。
読んで頂き、ありがとうございます‼︎
可哀想ですね、律。いやはや、まぁそれが可愛いんですが!
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