表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
219/745

十九話 表と裏、太陽と月、近くと遠く

題名、変ですね……。語彙力なくてすいません!

その驚きように、声を掛けた羽衣はパチパチと瞬きしてからクスッと笑みを漏らし、ごめんごめんと平謝りをする。


「そんな、驚かれるとはね」

「び、びっくりは苦手なんですよ」

「あーそうなんだ。ごめんね」


頰を掻き反省しているような顔で葛葉を見やる羽衣。自身の体を抱き締めるように両肩を掴んでいた葛葉は、羽衣の表情を見て、強張ってしまった表情を緩めるのだった。


「そ、それで何ですか?」

「あぁそうだそうだ。……名前で呼んで良いかな?」

「良いですよ」

「ありがと。それでね、私が話したかったのはね……葛葉ちゃんが例の【英雄】なのかな?」

「……そ、そうですよ」


葛葉の隣に座りニコニコと常に笑顔で話し掛けてくる羽衣。


「わ〜本物だ。……ね、握手してもらって良い?」

「え? ……こんな私にですか?」

「良いの良いの。いつかすごい【英雄】になった時に、周りに自慢できるからね」

「は、はぁ」


よく分からない人だな、と葛葉は手を差し伸べてくる羽衣を見てそう思った。まるで裏が見えない。こんな事を頼んでくるのだから、何か考えがあるのではとそんな考えが脳裏を過ったが、何も分からない。

この小比類巻羽衣が考えていることが。


「……ふふ。ありがと、それじゃ」


葛葉が手を握り返し、握手を交わすと羽衣は嬉しそうに微笑み立ち上がった。


(……でっか)


ふと葛葉は、立ち上がった羽衣を見て心の中でそう呟いた。


(身長でか、あと胸も……)


推定170以上だろうか、そしてGくらいだろうか。身長も大きければ胸も大きい、完全なモデルさんだ。胸はいいとして、身長がデカいのは羨ましい。


「それじゃ、またいつか会おうね」

「は、はい」


そう言いながら扉の方へと去っていく。

そしてガラガラと扉を開け、振り返り羽衣は微笑みを絶やさないで、葛葉の事を見るのだった――。




「――……よし。これで、余裕を持てるかな」


浴場と脱衣所を隔てる扉を背もたれにして、寄り掛かり、先ほど握手した手を見つめながら、羽衣はボソッと呟いた。


「あの子も、きっと参加するだろうし」


緋月が言っていた通り、あの葛葉という【英雄】はきっと奴隷商を許しはしないだろう、あの一時で分かったのだ。


「楽しみだなぁ」


羽衣はそう呟きを残し、自分の替えの服が置いてある場所へ向かうのだった。




「……ほう。これが次代の【英雄】か」


淡い紫に満ちた大きな一室。その中央に造られている豪華なデザインの椅子は、魔王が座っていそうだ。

事実、座っていた。


「妾が見てきた中でも、"一番"弱そうだな」


水晶をみるその目は酷く冷たかった。

読んで頂き、ありがとうございます‼︎

ついに魔王までが登場しましたね! まだ三部な筈なんですが……。で、ですがまぁ、次に登場するのはもっと先になる筈です!

面白いと思って頂けたら、ブックマークと評価をお願いします‼︎

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ