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十七話 何度目のお風呂?

……何だか、お風呂シーン多過ぎですよね??

「はぁ〜あ、本当に最悪だよ……」


戦闘服を脱ぎ、下着姿の葛葉はベチャベチャの服と、鏡に映るベタベタの髪の毛を見ながら悪態をついた。スライムに募る底なしの憎しみ。肌を貪られたのだ、乙女の。(断言できない乙女の)

怒りが募るのも致し方ないだろう。

そう考えながら、葛葉は髪をお団子ヘアに結び、浴場へと向かうのだった――。

ガラガラと扉を開き、葛葉はスタスタと浴場の中に入っていく。ギルドのこの大きな風呂? 銭湯? は毎度の如く人がいない。のにも関わらず、いつも沸いてあるのだ。


(環境保護団体が居たら発狂しそうだなぁ)


葛葉には、この風呂場でのいつものルーティーンがある。初めに掛け湯を行い、身体を清らかにしてお湯に浸かります。そして、満足したらお湯から出てサウナに向かいます。(なんとサウナも完備してあるのだった。)

そしてサウナに限界まで入り、外に出て水風呂に入り整える。それでもって身体を洗ってお終いという、そんなルーティーンがあったのだ。だが、残念なことに今日はそれが出来ないのだ。

何故なら……、


「掛け湯だけじゃ取れなそ〜……うへぇ〜」


まだベタベタする肌を触りながら、葛葉は掛け湯ではなく流し場へとスタコラサッサっと向かうのだった。


「――ありゃ? 私以外にも居たんだ」

「…………え?」


流し場に向かう途中、湯船の方から声を掛けられた。普段なら貸切状態の浴場な筈なのに、何故か人の声がしたのだった。


「こんちわ〜」

「……えぇ?」


ニコニコと、湯船に浸かっている女性は葛葉に向けて、微笑みを浮かべて手を振る。

葛葉は戸惑い、何が何だか……と困り果ててしまう。一応葛葉はこのギルドに所属している冒険者の顔は覚えている。これだけは、葛葉にとって昔からの特技だったのだ。

だがこの女性は覚えているどの顔にも、一致しないのだ。新人冒険者か、それともギルド職員か。でもっても前者はノーだ、新人冒険者がこの浴場を使えるわけがないのだから。

ここは一応関係者以外立ち入り禁止の内側にあるのだ。並大抵の冒険者はここには入れないのだ。


「……ん? どうかしたの?」

「い、いえ……ただ、あのあなたは?」

「…………? あ! そっか、知らないよね」


フレンドリーな身知らない女性。葛葉は戸惑いながらも女性に話しかける。


「私はね、小比類巻羽衣。よろしくね」

「は、はい」

「……君は?」

「あ、私は、鬼代葛葉です」


一応だが葛葉は人見知りだ。ので、こういうフレンドリーな人物はかなり苦手なのだ。

読んで頂き、ありがとうございます‼︎

お風呂シーンが多い? 美少女の裸を想像出来るんですから良いでは無いか、と常々思ってます。(警察はご勘弁を……)

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